小説

 色々と読んだよ。

「NOVA」:大森望・編 ごく最近に出た「ゼロ年代SF傑作選」に比べて、お上品。大人。ドレスコードを弁えている。という風情。 後、悪口の叩き方が非常に巧妙でいやらしいことも特徴的。山本弘のダン・ブラウンDISとか。マイフェイバリットは飛浩隆の「自生の…

 色々と楽しんだ。

「スター・トレック」 レンタルで観て即、Blu-ray買い。つまり、大満足。 正しくジェットコースターでティーンなムービーであり、大変楽しい映画。僕の基準の中ではアイアンマン系というべきか。ポップでロックなノリ、制作者が舌出しながら造ってそうなとこ…

 色々と読んだよ。

3月のライオン 独自の3巻ルール*1に従い、購入。 未だに羽見野チカがこれを書く理由をとんと思いつかないのですが、大変いい殺意ですね。(満面の笑顔で)しっくりとして、コクもある。 「ハチミツとクローバー」の頃から、あちこちの隙間から仄見えていた「…

 紫色のクオリアを読んだ。

ループ物に二種あり。 繰り返すために繰り返す物と、繰り返さないために繰り返す物なり。 という単語だけ思いついたので書き出しといて、感想はそのうち書く。

 ライトノベル色々と読んだ。

だいぶ時間経っちゃったけど、だいたい覚えているので感想書く。 ネット上で評判よかったやつを適当に拾ってみた。 とらドラ! 一巻のみ。カラっと読めるいい作品。主人公がかわいらしくて驚く。まさかの男萌え。 今後、個別の家族問題に確実に踏み込んでく…

 色々と楽しんだよ。

ドラキュラ紀元(キム・ニューマン 傑作の誉れ高きドラキュラ戦記をいつぞやに読んでから、そういや一巻読んでなかったなーとか思ったので、古本屋で購入。 買った古本がおもしろい。 この作品、手に取ったことのある人はご存じでしょうが、情報量がハンパな…

 色々と読んだよ。

暁星記 スピリチュアルなラストの方向性はどうかなーと思ったけど、終盤まで徹底的にハイテンションが持続されてよかった。 この作品がSFかどうかと考えると、序盤はたぶん、SF。諸星的な喜びに近い、クトゥルフ的な怪奇趣味のSFというか。超越種によ…

メタルギアソリッド4の小説を読んだよ。

伊藤計劃の新刊なので、どうかなーと思ってたら、びっくりするほど虐殺器官でした。いや、虐殺器官がMGSの本歌取りだから、こっちが本歌でいいのか。ゲームのほうはやってないので、こっちがどのぐらい原案に忠実なのかぜんぜんわかんないんだけど、ものすご…

 フルメタル・パニック!の最新刊を読む。

ここでまさかのグノーシス思想。まあ、現世否定はフィクションの世の常だけど。シチュエーションが色々できすぎてるので、*1、気づいてちょと楽し。 そして、随所で挟まれる繰り返されるチョイス&プレイ。 これはもしかしてゲーム的リアリズムってやつか!…

小説プラネテス 家なき鳥、星をこえる(著:常盤陽)

ハキムいいですよねハキム。マジメで頑固な好青年がガシガシ削れていく様がいい。川底を転がる石のように丸くなる人生にはならず、決定的に亀裂が走ってそのまま砕けるストーリィ。 この残酷でその実、ナイーブな青春物語を「新人」作家が書くという時点です…

 「時砂の王」(著:小川一水) を読む。

激燃え。 血が踊りまくり。 「謎の侵略者による人類滅亡を回避すべく、時間をさかのぼって人類を守るロボット」とだけ書くとベタですが、ガジェットがことごとくツボ。 具体的にいうと、喋る剣と冷たい無慈悲なシステムの女王。時間線=戦線の概念、拮抗線と…

 乙一ジョジョ

会社出てから、駅に乗る前に買いました。 これは凶器だ。少なくても電車で読む本じゃない。 開始一ページ目から、飛び出るジョジョ第四部キャラクター いきなり真横から殴られる気分。なぜこんなギミックが・・・ ほんとに書き方変わったなー、と改めて思う…

 色々と読んだ。買った。

「ウェン・スペンサーというSF作家が女性であるはずなのに、わかりすぎているほどにわかっている作家なのである」 という知り合いからの知らせをうけて、探しました。 「ようこそ女たちの王国へ」 最初の五ページで戦慄しました。表紙を眺めて感嘆しました…

 色々と読んだ。買った。

この三週間ほど所用につき、朝から夕方まで往復三時間ぐらい電車に乗っているのですが、当然のように小説と漫画を鞄につめこんで、一日2冊ぐらいのペースで本を読んでます。 もはや仕事のために電車に乗っているのか読書のためなのかすら不明の領域に突入し…

 続・ガガガ文庫 雑感。

自分でもまったき予想外の方向に転がっていった前エントリーですが、いくつか気になった作品は読みましたよ。ということで、感想羅列。 武林クロスロード 爆笑。 「深見真はハナからロックだ。レズに腹筋を付け足せば、それは深見真だ。ゆえに、レズに腹筋を…

 ガガガ文庫 雑感。

あらすじ 国内大手組織「小学館」若頭「名前は知らない」の謀略により、侵すべからずの「沈黙の掟(オメルタ)」は破られた。 すなわち、タカモノ(ライトノベル業界)への参入である。 本来ならば、タカモノの仕切りは、富士見、電撃、スニーカーを中核とし…

 「膚の下」(著:神林長平) 「冬の巨人」(著・古橋秀之)を読む。

膚の下 本編が面白かったのは当然ですが、笠井潔の解説がすんなり入ってきたことに驚きですよ。僕のなかで笠井潔(とその周辺)って「何を語らせても、笠井フィールドの話しかしない」という認識だったのですが、これが教養小説で、かつ二十一世の「人間の時…

 Fate/Zero(著:虚淵玄) 二巻を読む。

うーん、面白い。キャラクターの動きが徹底して管理されているから、多人数が入り乱れても、きちっとしている。カオス化しない。最近、そんなんばっか読んでるからものすごく新鮮に感じる。 なんだろうな。Fateの前二作に比べて、何を書くのか、じゃなくて、…

 色々と読んだ。

チャンピオンRED 吉富先生は果たしてどこに行かれるのだろう。トランスジェンダーと恐るべき足フェチの世界に裸足で駆けて行く「BLUE DROP」の神々しさは僕には眩しすぎます。 ノリにノッてるはずの「疵面」と「シグルイ」と「ドスペラード」。しかし、吉富…

 「タフの箱舟」(著:ジョージ・R・R・マーティン)を読む。『ゼーガペインビジュアルファンブック』を買った。

タフの箱舟(全二巻) ひさしぶりに『ワイルド・カード』を読み直していて、ふとGRRマーティン・ブームが到来したので読みました。 煽り文句通り、「宇宙一あこぎな商人」ハヴィランド・タフの活躍を描く短編連作集。 あ、やべ。鼻血でそう。なんだこれ、…

 最近、買った本とか。

鈴木先生(一巻、二巻) なんだこれ? 読みながら、疑問符の連発ですよ。首傾げまくり。恐ろしく読みにくい。1コマ先が予測つかない。 ああすればこうなる。こうすればそうなる。そういうリズム感というか漫画としての文脈がぶつ切りで、驚かされる。 しかし…

 「零式」(著:海猫沢めろん)

ああ、リアル・フィクションってのは、つまり村上春樹時空(なんだか行き詰ったのでセックスに逃げます。でも、人生ってそれだけじゃないかもね? という上半身を反らせつつ、諦め気味な態度)を殺す話なのね、とようやく理解できた話。そんなの超ステキ。 …

 「Fate/Zero」(著:虚淵玄) を読む。

注文したのが年の暮れ。発売予定日が今月の13日。 待てど暮らせど届かない。 公式見れば、「発送が遅延していて、お客様には〜」のお詫びの言葉。 「まあ、同人だし」「fateだし」 などと、それほど期待せず待つこと一週間、昨日の夜、ようやく到着し、読…

 『g.neo』感想・後半戦。

時間ないからサクサクいくよー。来週までに2006年度オレ・フィクションランキングもやるからねー。 「you copy?/i copy」「超光速通信」 いいショートショートです。グッサリ鋭くて、しつこくない味わい。素晴らしい殺意の量です。 「不二子先生をいかに墓か…

 「マルドゥック・ヴェロシティ(著:冲方丁)」を読む。

いやー、それにしても今年は豊作でした。この二十数年で一番、幸福な読書期間を送らせてもらえたんじゃないかな。 そして、この作品はそんな幸福な季節の締めくくりとして相応しい作品でした。 感想(以下、ネタバレ) 「アメリカ文学界の狂犬」などとなんと…

 web取り置きが届いたので、『g.neo』(ファック文芸部)を読む。

世の中には確実にどうしようもない人間が少しずついて、そのどうしようもない人間というのは、根っからどうしようもないわけでは決してなく、人物を構成する部品の大部分はいたくマトモなんですが、ある一般人からすれば見えにくい部分が異常に肥大化してい…

 「グラン・ヴァカンス 廃園の天使(1)」(著:飛浩隆)を読む。

知り合いから薦められたので読みました。 その際の売り文句が、 「イヤな汗を掻きたいなら超オススメ」「己の欲望に向き合う作業が好きなら超オススメ」「ペリペリと天国の皮をはぎとって、地獄が出来ていく様子を眺めたいなら、超オススメ」 などというあま…

 ミス・メルヴィルの後悔(著:イーヴリン・E・スミス)を読む。

中年女性というものは物語の中心から不思議なほど除外されてきた存在だ。彼女らは、(賢母←→悪母といった程度の差こそあれど)保護者的なスタンスから一歩も出ない。 おおむね、女性賛美をする男性も、彼らが賛美する女「性」とは、おおむね健全な少女的感性…

 宇宙への帰還(SFアンソロジー)を読む。

昨日、仕事が終わってから足を運んだブコフで偶然、発見する。収録作の一つである佐藤大輔の「晴れた日はイーグルに乗って」がずっと読みたかったので、これ幸いにと購入。 内容はSFアンソロジーなんだけど、正直いまいちだという感想はぬぐいきれなかった。…

 ヤングガン・カルナバル ドッグハウス(著:深見真)を読む。

この作品は、全体的に陰惨というか過激な雰囲気があって、内容も非常に暴力的なんですが、それに比べてもずいぶん健全だな、といつも読んでいて思います。 似たようなポジションにあるガンスリンガーガールやブラックラグーンの潜在的不健康さと比べると、こ…