カレイドスター(32話まで)を見る。


 貪るように見てます。このすばらしい作品を今まで見てなかったことを本気で悔いているぐらいに。これは隆慶一郎先生の「死ぬことと見つけたり」と江戸川乱歩傑作選集を初めて読んだ衝撃に似ています。

  • 全体の感想

恐ろしくオーソドックスなツクリです。目新しさ、というのはほとんどない。サーカスのような舞台のようなカレイドステージ。、その世界の頂点を目指す少女の苦難、困難、災難。
 起承転結がはっきりとしていて、見ていて安定感があるのは、吉田玲子脚本ならでは。コミカルな崩したキャラ絵でしっかりキャラ人気を獲得するのは、佐藤順一監督ならでは、という感じです。(この二人のコンビネーションはARIAでも発揮されていますが)
 特にすばらしいのは、中盤から後半の怒涛の展開で、まるで曽田正人「昴」のようなショウに対する貪欲さが、ぐっと目を引きます。レイラ・ハミルトンのステージへの「業」の深さがほんとにすばらしい。パートナーと選んだ少女とともに文字通り、命を賭けて、ステージへ登っていく様は圧倒的でした。
 残念だったのは、後半の敵役になるキャラの立ってなさでしょうか。主人公たちの「業」に比べて、明らかに試し斬り(つまり、父の死に関する強烈な感情の爆発とか、けがをしないさせないカレイドステージへの徹底っぷりとか)の量が足りてなかったため、もうまとめに入った瞬間からすごい勢いでやられ役になってしまったこと。


 今、見ているのは新シリーズ。
 超すごい新キャラが主人公に絡んできて、ショウダウンを起こす寸前なので、ここからどうなっていくのか楽しみでしかたないです。 

  • 追記

 知人から、「知ってるか? レイラって17歳なんだぜ?」と言われて、驚愕しました。
 絶対にウソだと思って、確認したら、本当だった・・・・20代前半だと思ってたのに。

  • 追記

 新シリーズはレイラから離れた苗木野そらの「業」が描かれていて、これがすごいです。
 三クール目はなんかグダグダだなぁと思ってたんですが、四クールに入って、それが活きてきました。三クール目におけるそらの絶望とか焦燥とか挫折といった粘り強い展開には男にはない女性ならではの展開だったなぁ。