完璧な涙 (著:神林長平)

  • 感想

数ヶ月前から始まった神林ブームもこれにて一段落。後は、未だ取り寄せ中の火星三部作「膚の下」を待つのみとなりました。

「過去と未来とそして現在」というのは自分にとって興味深いテーマを取り扱った作品でして、そのテーマを素晴らしく端正な構成で巧に演出し、イマジーネーションに富んだシチュエーションによって、時の漂流者=現実のどこにもいない主人公を強調していて、読んでいて楽しかったです。この作者の作品はこれまで色々読んできましたけども、今のところこれが一番好きです。次点が「あなたの魂に安らぎあれ」でその次が「Uの世界」です。
 まだまだ読んでない作品がたくさんあって(劇中のシチュエーションが興味深いラーゼフォンのノベライズもまだ)手をつけてないし、積読リストのうち時代劇モノが終わったら、またSFでも読もうかしらん。