スピードグラファー(1〓10まで)

 脚本のレベルが非常に高い。
 ここまでの一連の流れは極度に肥大化して実体化してしまった「欲望」をとりまく物語なんですが、出てくるキャラが変態ばかり。というか、タイトルセンスが異常です。
 特に「ダイヤモンド夫人」と「猟奇ドリル」は本当に狂気の沙汰としか言いようがない。
 後、各エピソードにおけるキャラの「欲望」エピソードが本当にすごい。欲望に忠実すぎるとこうなるのだっ! という思考実験をやってますね。
 これはある意味、Gガンダムで「ガンダムで殴り合いをするとこうする(バカ演出)しかなかったっ!」という狂った方法論と同じベクトルというか。
 バックボーンにある世界観がものすごく真っ当なのに(欲望を半ば忘れかけていたのに、ムリヤリそれを呼び覚まされた男と全ての欲望を吐き出させるイノセントな少女との逃避行だとか、生化学的なアプローチで「欲望」を再現しているところとか)、なぜかバカアニメになっている。
 要するにGONZO特有の良くも悪くも「俺達は俺達がやりたいことしかやらないんだよっ!」というエッジがギンギンに効いている作品です。


 ただ、惜しむらくは作画がボロボロ。これ、真っ当な画つけたら傑作になってたと思うんですけど。でも、いい絵がついてたら、それはそれでここまで愛着が沸かなかっただろうし……


やはり愛すべきダメアニメとか、そんな感じです。