ライトノベルって、そんなにオタクっぽいんだろーか?


 よく聞く言葉。
ライトノベルはキモイ」
ライトノベルはオタク向け」


 だいたい中高生ぐらいだと思うんですが、はてなキーワード巡りをやってた時に、そういった話をしていたのがちょっと目につきました。
 おもしろいなーと思いました。
 や、バカにしてるわけではなくて、純粋に好奇心にかられたんです。
 ぶっつけで「どうしてそう思うのか?」と質問させてもらおうかとも思ったんですが、もしかしたら批判してるのかと思われるのも怖かったので、まあ、ざっと色々まとめてダラダラ書いてみます。


 彼らの感想を読んだ限り、ライトノベルが「キモイ」と「オタク向け」っていうのは限りなく同じところにある主張なのかなーというのをまず感じました。
 んで、その主な原因は大抵、挿絵にあるみたい。「キモイ」「オタク向け」と批判するひとたちは、萌えなイラストがイヤと言及してる感じ。
 要するに、恥ずかしいんだろうなと思いました。
 学生の生活の場っていうのは、主として学校なわけでして、小説を家で読むよりは学校で読んでそうだし。


 まあ、家に帰るとテレビとかゲームとかありますし。刺激物が少ない場所に刺激物を持ち込む心理というか。
 ボクはそうだった。今はどうなんだろうな。携帯のゲームとかで遊んでるのかな? まあ、いいや。
 でも、その心理ってすっごくよく分かるんですよね。
 ボクは、中学生から高校生ぐらいの時に、スニーカー文庫の「ラグナロク」を読んでたんですが、あれなんかまだガッコに持っていこーかな、という気になった。なんでかっていうと表紙が結構ファッショナブルだったから。挿絵なんかもシャープで、マンガっぽかったし、内容も過激なエログロ。
 でも、スレイヤーズはムリだった。最終巻まで付き合ったけど、一度も外へは持ち出さなかった。家でひっそり読んでました。

 
 例えば、いかにも小難しそうなオーラを漂わせている表紙を持っていると、「お? こいつってちょっとやるじゃん?」と周りが思ってくれるんだと感じるんですよね。実際に、思ってくれるかは別にして。
「へへ、オレだってこういうの読むんだぜ」と表明したい心理というか。
 なんつーか、ある種の啓蒙文学をファッションとして着こなそうとする感じ。
 だって、「ツミとバーーツ!」「センソーとヘイワー」とか、かっこよくね?
 いたいけな中学生とか高校生で読むんだぜ? 文豪さまの作品を。
 で、したり顔で「ドストエフスキーはね」とか「トルストイはね」とか話すんだぜ?
 …
 ……
 それって十年ぐらい前のオレのことじゃん! はずかしーーー! 赤面モノだ! 飛びてーー! マジ飛びてーーー! ちょっと高尚なん読んだからって、ダチにえらっそーに講義してたよ! 思い出すだけで自殺したくなるーーー!


 ……話が逸れました。すいません。ボクの自分語りなんてまったくもってどうでもいいですね。


 まあ、アレです。やっぱね。最初の入り口は大事ですよね、つー話です。結局、年齢的な部分でどうしても経験値が低いんだからさー、良くも悪くも、突き抜けることに色々抵抗があるわけで、「普通であること」「スタンダード」がよりどころなんだから。
 オタク向けの可愛い女の子が表紙で、平積みでずらーーっと並んでるとやっぱりそこそこフツーの感性のヒトだと「うっ」ってなっちゃいますしね。
 昨日も帰りに本屋に寄ったんですが、ライトノベルコーナーを眺めていて、やっぱりニッチだなあ、と思いました。なんつーか、いくらなんでも世間の目を無視しすぎというか。さすがに異世界だわ、これは。と。


 まー、可愛い女の子が表紙を飾るのもいいと思うし、キャッチーだから従来の顧客を掴みやすいんだと思うんですが、やっぱり、それだけだといかんの違うか? とか。
 だって、カックイイイラストが入っていたら、駅でも読めるじゃないですか。学校でも読みやすくなると思うんですよね。そういう配慮があると新しい読者も入って行きやすいんじゃないかなーと。
 そもそも僕もライトノベルを本格的に読み始めたのは、ラグナロクからだしな。かっこよかったもんなー。あの表紙は。


 だから、あれですよ。出版社もね。こういうのを考えるべきです。
 その名は、「リバーシブルイラストシステム」 テクノロジーっぽく略して、RIS。

 まず表紙の裏に、いかにもモダンなそれっぽいリトグラフの写しを使って、小難しそうなサブタイトル(「〜〜の〜〜」「全ての〜〜が〜〜」とか)を前面に出す。萌え表紙でも安心設計!
 で、カラーイラストは点線切り離しができるようにしておく、と。
 モノクロの挿絵はあれだ。なんかシャープでかっこいい感じの陰影のはっきりしたアクションシーンか、著作権の切れた肖像とか名画とかにしよう。もしくはライトなエロ絵。
 これで新規顧客もばっちりゲットだ!


 さ、はやいところ、商標登録しないと。特許庁はどこだっけ?