相変わらず外出中。


 付き合いやらの諸々の仕事が終わった後、10時ごろ知り合いと映画館の前を通る。
「お! ゲド戦記11時からだって」
 というわけで、ヤロー二匹で見る。
 周りは発情期に入ったカポーばかりで、肩身が狭かったが、「むしろ同性愛カップルという方向でまとめてみてはどうだろうか?」とソリューション。酒がかなり入っているので、色々悪ノリ。ゲロ戦記。すいません。ほんと迷惑な客でした。反省してます。
 ゲド戦記については、ネット界隈だとネガティブ批評が強めだけど、全然見れる作品でした、とだけ。明日には帰宅できる予定なので、その時にでも改めて。


 そういえば、一昨日、ホテルに入ってから、時間があったので、ぼんやり映画を見てました。
郵便配達は二度ベルを鳴らす」 テイ・ガーネット監督の46年版。
 現代に対して、色々と示唆的な意味を持つ作品だと感じました。傑作です。
 ※以下、ネタバレ。

  • 感想


 あまりにもおもしろかったので、感想がいまだにうまくまとまらないので、思いつくままに。


 非常に共感できる作品でした。どの人物の心情もものすごく理解できる。わざとデフォルメしてるのに、しっかり生臭いのがツボでした。


 年老いた善良な夫のもつ無慈悲な優しさや、彼の家族の介護がイヤで夫を殺すことを決意する若妻というくだりは、男が持つエゴイスティック=男性的精神に対する懐疑を垣間見えることができて、介護社会で圧迫される家庭内女性について、同情せざるをえなかった。
 殺人を決意して、失敗した瞬間、出てきた素朴な疑問の一言で、ぐっと胸を刺す。真に善良であったのか? それとも、なにかの計算があって黙っているのか? 人間性に対する懐疑がここで投げかけられる。

 

 男女間に漂う情念の生む悲劇性と最後の最後で、神による救済が発生する瞬間、上質の「劇」の見事な結晶が出現して、これが名作だと理解しました。やたらスキャンダラスな81年版より、じっくりと腰をすえたつくりでおもしろかったです。原作読もうかな、と思わされるほどに(←最高の褒め言葉)