色々、観た。ただしDVD。

 昨年は映画を映画館でほとんど見なかったなーという話。多分、十本も観てないです。しかも、自発的なものじゃなくて、付き合いだとかタダでチケットもらったりしただけのことで、きちんと映画を観れていません。
 そうなると不思議なもので、「もーいーや、DVDで観れるし、つか、ダリーわ。二倍速で観れないなんて」などと我ながら映画を観る態度としていささかどうかと思われる発想が浮かび上がってくるのだから、おもしろくあります。

 というわけで、今回観た映画の感想。

  • 「ウルトラ・ヴァイオレット」

 観たいなー、なんせリベリオンのカート・ウィマーだぜ? と思い待つこと半年。
 ところが、人間、年をとってお利口さんになってしまうとつまらない保守的なおっさんになる、という原則があるように、ネットの評判は曰く、
ガン=カタへの愛があれば見れる」
 曰く、
「後半はきっと予算が足りなかったんだろう」
 と、なにかをかみ殺したような煮え切らない感想が散見し、不安視していると、
「カート・ウィマー、君にはがっかりさせられたよ」
 というものがあり、レッドアラートが発令され、回避。
 いや、見たかったんですよ? すごく、ほんとに。マジでマジで。
 でも、当時はパソ新調したり本棚を買ったりして、ちょうど金がなかったんですよ。いや、ほんと残念です。

 
 確かに前半のワクテカ感は素晴らしい。金に余裕があれば、前半だけで映画館にお金を落としても悪くなかったと思う。ひたすらキャラが動作の終わりに無駄に見得を切る。切る。切る。ガン=カタですよ。ボンクラ魂を裏切らないなー、ちくしょう。
 この辺りは爆笑しながら見てました。あいかわらずとなんというか、とにかく各アクションシーンのラストショットがやたら決まってる。
 それぞれカッコイイを通り過ぎて、バカすぎることもあれば、素直に脳髄にビビットくることもあり。
 主役のミラ姐さんは、今回、彼女自身の新境地である母性に挑戦している、といえば、まあ、聞こえはいいかもしれませんが、正直、「母親」をやるにあたって、ミラ姐さんはいくらなんでもエッジが利き過ぎているのではないか。
 フィフス・エレメントの時の、あのエキセントリックなオールタイム・ベストオブウザイ・ヒロインを演じていたのは、いまだ記憶に新しい話ですよ?
 まあ、とにかく前半のアクションシーンで明らかに力尽きているこの映画。中盤以降の蛇足部分をどう楽しむかは自由ですが、ストーリーを期待している人以外なら、気楽に見れるんじゃないでしょうか。

  • X-MEN ファイナルディシジョン

「プロフェッサーXは腹黒である」

 原作Xメンを嗜むものなら、誰しもが了解しているこの事項を知っていると、ラストシーンが数段、美味しくなるのは言うまでもありませんが、なんか、その、ブレッド・ラトナーはどこまでも作品を無難に造ってしまう監督だなーと思いました。
 この監督って、キャストにやたら恵まれてるイメージがあるんですけど、気のせいかしらん。
 まー、この作品自体がブライアン・シンガーがバックれて「スーパーマン・リターンズ」に走った後、後続の監督も降板したのをラトナーがなんとか完成にこぎつけたという、かなり危なっかしい噂を抱えたものだったので、こりゃ避けて通った方がいいかなー、別にXメンに思いいれないし、と思って見ると、楽しめました。
 実際、随所で「こことー、こことー、こことー、ここをー、繋げればなんとか一本の線に見えるって、大丈夫! イケルって。つか、ごちゃごちゃ言うな! 細かいところは気にすんな!」という脚本家の悲鳴が聞こえそうなタイトさが愉しいですね。

  • サイクロプスのひどい扱いとか。
    • まあ、原作でもプロフェッサーXのダメな部分(つまり、ヘタレ)を受け継いじゃったキャラだけど。今回はさすがに、ねえ。
  • ジャガーノートのひどい扱いとか。
    • 多分、キャストがプロレスラーっぽかったんだけど、終盤の女の子との追いかけっこからプロレスラーキャラらしく狂ってきて、ついにアホ頭認定されてしまうとは。いくらなんでも「Dick head」はヒドすぎるだろ。
  • エンジェルがただの白鳩扱いですか? 
  • 忘れられた男、ナイトクロウリー。ど、どこへ?
  • リーチの能力はライトノベルの主人公にありそうだよなー。


 なんだかんだで楽しんでますね。映画館で見ておけばよかったかも。
 X−メンはこれで終わりといってますが、続編はすでに決定していたはず。まあ、これで終わりっつって終わった人気シリーズの方が少ないですからね。ただし、メインキャストは総入れ替えらしい。
 一作目公開当時、それほど知られてなかったメンバーもずいぶんと出世しちゃったから、ギャラがヤバイことになっているとか。だから、あのストーリー展開でキャラが容赦なく死にます。そういう意味でも緊迫感がグッド。いやー、楽しんでるなー。くそー。
 

 やっぱり見ないで後悔するよりは、見て後悔したほうがよいといいますので、今年からはちゃんと映画館観に行こうと思います。
 今年はアメコミ界隈ではニール・ゲイマンの作品が幾つか公開されるようなので、それからかな。アメリカンゴッズも今夏に邦訳されるようでなによりです。
 あ、あと、ハンニバルライジングか。