知り合いらと駄弁ってたら、唐突に「AV女優の七海ななとつぼみが好きだが、シャッフルされても判別する自信がない。やつら似すぎじゃねえ?」と言われて、どうでもよすぎて死ねと思った。


A「最近のAV女優は美人ですよねー」
B「そーすね。不景気だからキャバ上がりも多いみたいよ。芸能人崩れも一杯いるだろーしねー」
A「おお、新宿スワン
B「横浜編から大筋の展開がワンパターンだよね、アレ。タルくね?」
C「未だにキワモノ系AVはどこに需要があるのか分からん」
D「清楚美しい睦み合いばっかでも、満たされない人っていうのはいるわけですよ」
C「だからってヤギとファックってどうなの? 冒険なの? でしょでしょって賛同してくれるものなの?」

 ここはAの部屋。座卓に広がるは無限のAV。ゲーム。マンガ。小説。DVD。流れるのは獣姦モノ。受け入れる女優さんに一同、「プロってすげー…」「お金を稼ぐってこういうことなのよね…」とはらはらと流れる涙は、何故。

A「まー、でもさ、二次元エロもさ、正道かつーと、蛇の道ですよね」
B「でも、エロ系の2chまとめサイトも増えてるよ?」
C「エロゲーもエロ重視、ライトプライスなゲームは売れてるよ?」
A「ああー、キミら抜けちゃう人? ヌけちゃうのね。やらしいわ! ビールおかわり!」
B「意味分からん。なんなの?」
C「ほれ、こないだ結婚したAの嫁さんがさ、アレじゃん」
B「あれ? 何? そういや奥さんって会ったことねえな。あ、オレだけ?」
D「うん、オレも結婚式出てたからね。まあ、聞いてびっくりよ。奥さん。がっちがちの日教組のご両親に育てられた教育者さまんなのよ」
B「げ・・・、来たね。来たよ。まさか我らオタク界と教育界をつなぐ救世主が現れるとは。古からの言い伝えは本当じゃったのじゃあ・・・くわばらくわばら」
D「まー、ヤギと人間のブリッジ眼前にしながら言う台詞じゃねーよね」
B「水割りおかわり! さて、ソレで?」
A「うん、でね。僕も寛容的な方じゃない?」
D「ヤギと人間の睦み合いを眺められるぐらいだしな」
A「アニメとかそういうサブカルチャーもね、大好きなのよ。萌えとかイイじゃない? 愛があっていいと思うんだ」
D「ヤギに対する愛情は感じられないけどな」
A「うるせーな、さっきから。ヤギヤギヤギ。てめえそんなにヤギが好きか。マトン喰わせるぞオラ」
D「マトンは羊……」
C「ジンギスカン美味しいよね」
B「こないだ札幌行ったときに食った食った。でも、魚の方が好きだなーカニも良かった」
A「あー、それでこないだの北海道の鮭そぼろか。なんで結婚祝いに送られてきたのか全然わかんなかったんだよ」
B「そそ。なんだよ分からなかったのかよ? 一緒にイクラも送ってたろ? 子だくさんになりますようにってな。ワハハハハ・・・で、何の話でしたかしら」
A「二次元ポルノはどうなのかって話よ」
C「それは道義的に? 制度的に?」
A「じゃあ、道義的に」
C「ああー、ダメだダメだ。そっち方面はVSモラルの対話やってくのに全うに見えて実はデスパレートだから。インモラルはさ一般論として、分かってやってんのよ。じゃあ、合理的合法的にヘッドロックして効率化しないと納得しないって」
D「その辺の手続きに失敗したのが、児童ポルノ絡みの日本ユニセフだね」
B「ガハハ、アグネスちゃんの世界にようこそ」
D「そもそも若き日々、陵辱ゲーを笑いながらプレイしていたA君。あなたが・・・やっぱ結婚って人生の墓場なのか」
A「るせーな」
D「つーか、こないだオレん家で『DEAD SPACE((エレクトロニック・アーツ社の超グロホラーSFゲー。死亡シーンがグロすぎて日本版が発禁扱い)))』やってたじゃん。寄生虫にプレイヤーキャラ首チョンパされて、頭乗っ取られたの見ながらゲラッゲッラ笑ってたよね?」
A「それとこれとは別ですよ」
C「じゃあ、二次元ポルノも別じゃダメなの?」
A「やっぱねー、レイプ物とか陵辱ゲーは考え物ですよ」
D「へい、YOU。それ今頃言い出すと、昔、援助交際やってて、規制強化されたから「やっぱ未成年と淫行しちゃダメですよ! 日本の未来のために!」って言うモラリストぐらい胡散臭いっすよ。あーちなみにコレウチの上司ね。KO出のボンボンなんだけどさ、酒飲んでてポロっとそんなことこぼしやがってさ。そのうち挽肉にしてやろうと思ってんだけど」
C「なー、無理すんなよ。でもさ、性癖って、ケッコーバレないもんなんだぜぃ? オレの知り合いもさ、SM趣味を上手く隠しつつ、家庭で良きパパ良き夫やってっから。大丈夫俺らはバラさないから、てめえが外道だってことはさ。知ってるから。ここじゃ気兼ねなく、やっていいんだぜ。人間はさ、たまに息も抜かないとやってらんねえだろ?」
B「そうさ。信じろよ」
D「友達じゃないか」
C「だろ?」
A「お前ら・・・」

そして、今まさに絶頂に逝かんとするヤギの前で、四人の男が友情を固める夏の短い夜が更けていく。

(つづく