ヤングキングアワーズ増刊号 

気になったのだけ感想羅列。

  • HELLSING外伝
    • The Dawn(1〓4まで)を再掲載。五話を新掲載。しかし、内容はやっつけ。とてもやっつけ。多分、OVAと平行して進めるんじゃないかしら。ヘルシングの本編は後二〓三巻で終わりですしね。後、三年から四年ぐらいで終わりかしらん。
  • Holy Brownie
    • この増刊号のためだけに作られたとしか思えない舞台とパロディの応酬(分かっているかぎりで、順にヘルシングエウレカセブン、SEED、シグルイ月姫{世界書き換えは時代背景とプロップからしてそうか?})が秀逸。エクセルサーガやめて、こっちメインにしてくれないかしら。無理かしら。無理よね。きっと。片手間にやるのが性にあってるんでしょうね。きっと。
  • STRIKE OF THE SWORD
    • 本誌において、傑出した出来栄え。小説的でさえある。
    • 作者の吉原昌宏氏はプロフィールを見る限り、非常なインテリジェンス。いかにもなスマートな筆致は大変好感度が高い。ヘルシング外伝のための増刊号という雑誌のテーマをもっとも素晴らしいかたちで消化している。
  • スカイパーキング
    • 今回に限り、強いベクトルを持った雑誌のテーマにそぐわないような気がして、これと「サンダーガールと百鬼町」とは一本の短編作品としてはおもしろいけども、あまり評価したくない類なんですが、「人間←→機械の二面性」をもったサイボーグ少女と空とエアバイクという本誌読みきりから連綿と続く作者の一貫したコンセプトにはただ脱帽。エアバイク以外のメカニック(基地内部やサイボーグのそれ)を描くと途端に紋切り型になって拙くなるのが残念です。もひとつこまいところをつっつけば、あの少女はカルボン酸とかを摂取しなければならない有機ベースのロボットだと思われるんですが、作者はサイボーグとロボットを勘違いしてるのか、わざと意味を曖昧にしているのか分からなかったので、忘れないように一応書いておこう。
  • PVについて。
    • なんというか、やっつけ。やっつけというか時間がなかったというべきか。各種エフェクトは演出さん次第なので、同じ音楽が流れ続けるクリップだと判断できない部分なので保留。炎と目はすごくおもしろい。特に輪郭とは別に内部で渦巻く炎がよい。
    • いいのか? 一応、名目はヘルシングのための増刊号だってのに……もっともPV中のカットの使いまわしはしない方針だそうなので、贅沢言えないんですが。
    • 特記すべきはアクションシーンがまったく動いてないこと。おもしろくない。わざと動画入れてないんだろうから心配しなくていいんだろうけど……
    • 原作の後半部分(つまり、製作においてまだなにもかも作らなくていいところ)になればなるほど3Dのクオリティが落ちていくのがちょっと笑った。ジャッカルなんかの装飾性の強い銃はやはりしっかり作られていてさほど気にならなかったけど、建造物や飛行物体、ハルコンネンはまだ明らかに浮いてる。後、デウス・ウクス・マキナから放たれるV2ロケット改のテクスチャが欠けてるような気が……リップバーンの魔弾のところは素晴らしいです。
    • 色使いが極めてまっとうだったので、安心半分、残念半分。原作はベタと黒のグラデこそが雰囲気を作る最大の要因だと思ってるので、その点、アニメだと明るすぎるような気が……後、アンデルセンの顔が気に食わない。なんでだろう。アーカードは色気があって良いと思うんだけども。多分、厚みがないせいかなあ。
  • 結論からいえば、総じて不満。ただでさえ割高なOVA。本編の出来もこのPVレベルだとしたら、購入するのに絶対、躊躇してしまうと思う。特にアクションシーンが怖い。嫌な予感がする。原作もアクションそのものには気を払ってない分、アニメとしてどの程度補えるのかがPVでは未知数になってしまったので、ものすごく不安。一巻、二巻、三巻ぐらいまでは様子見するかもしれません。