アフタヌーン 3月号を読む。
- ああっ女神さまっ
- よーやく原点回帰したのかしらん。
- そうですよ。この漫画の素晴らしいところは、精緻な筆致のメカニックコマ描写の合間に様々な美女が出現するところなわけであって、決してベルダンディの人形めいた博愛とか蛍一がハーレムを楽しむ様だけを見たいわけではないのです。大事なのは総和です。総和。
- おおきく振りかぶって
- ちゃんと双方の陣営を描けるっていうのは、この漫画の大きな強さだと思います。
- 野球漫画、特に日本の野球っていうのは、本質的に合戦モノなわけであって(天王山とかあーいう言葉があるように)、戦略(トーナメント中のピッチャーの長期的コンディションの展望とか)+作戦(前半はともかく後半の一点二点のしのぎあいになった時、チーム内のキャラクターで決定される。大抵はピッチャー潰し)+戦術(短・中期的な采配。現代野球においてはほぼ完成されて様式化している。定石)で双方がそれぞれ戦いあう、っていうしのぎあいであり、この作品の場合、作者のほとんど怨念のような『高校野球萌え! 高校野球児好き好き〓』という要するに、全キャラ大好き、というのがそのパワーの源になってるんでしょう。
- 逆にダメな野球漫画というのは、作者が特定のキャラクタ、特定の陣営を極端に身びいきしているもので、例えば、サンデーのMAJORなんかはその好例だと思います。
- アキバ署
- この作品はもったいないなあと思います。掲載誌を完全に間違っているというか時流にのっかりそこねたというか。
- 巷でいうところの萌えブームを刺激する形として若いオタク向けのアフタヌーンじゃなくて、一般の年配サラリーマン向けのモーニングかなんかに掲載すれば、もっと伸びたんじゃないかなあ。こういうデリケートなネタは読みきり漫画にするとコスト(絵にして物語として決着しないといけない)が高いため、きっちりとしたフォローが全然入らないため、問題提起にもならないで、単に事実説明してるだけになるので、好きではないです。
- だから、世の中を知った気になりたい中高生とか、世の中はもーだめだー、と半ば投げやりなお父さん世代なら大いに喜んでくれるんじゃないかしらと思うんですが。良くも悪くも。