ローゼンメイデン・トロイメント 最終話を見る

 ストーリィの着地に悩んだんだろうなあ、と見ていて思いました。色々もったいないというか。アイディアはすごくおもしろいんですよ。着地させるための。
 例えば、薔薇水晶とローゼンがそれぞれの模倣者だったとか。安易に夢オチにせずに、ちゃんと教訓を与えてるところとか。
 ただ、薔薇水晶が偽者でローゼンも模倣者なら、もっとそれに関して伏線を張るべきだったと思います。この二人は完全に浮いてしまってた。
 薔薇水晶の方は前作における水銀燈の『痛みを知らない存在』を踏襲した上で『痛みを知った存在』である真紅や水銀燈との対比も効いている(もっとも、このテーマはジュンがキャラとして成長した今になって再度持ち出されても、どうかと思いましたが)ので、なんとでも納得しようがあるのですが、模倣ローゼン絡みはまったくグダグダだと思いました。
 地を出した瞬間、崩壊するなんてムスカじゃあるまいし…… 


 後、アクションシーンは全体的にショボすぎですね。絵も荒れまくるし。これはfate/stay nightにも思うことですが。
 ただ、これはフェイトもローゼンメイデンもそもそも原作が絵としてのディテールにうるさい作品なので、動かさないときはかなりいい感じなのですが、動き出すとちょっと粗が目立ってしまいます。止め絵はすごく美しいんですが。
 この辺りはノエインNARUTOが凄まじい動きの真髄を見せ付けている最中なので、どうしても比較してしまいます。もちろん比較しても仕方がないことなんですけどね。
 NARUTOノエインなんかは動いてナンボのデザインなので(NARUTOは週間連載だということで、作者が進んでアニメートしやすいようにデザインを作ってる、第2部からはその傾向が顕著に)、これはどうしようもない部分。最後の最後で見せた承継能力のコンボのところはおもしろかったし。次回作はいっそOVAかなんかでやって欲しいです。