全く知らない人に「エロゲー」って何やねん? と説明する次第。

 ワタクシの知り合いにブームにまったく煽られない人というのがいて、趣味がクラシックコンサート行くこと、とかっていうものすごく実直な趣味を持っており、その人はおよそサブカルチャーという分野には縁がない(漫画もアニメも見ない)わけなんですが、今日たまたま昼飯を一緒にしていて、
「あのさー、エロゲーって知ってる?」
 と、ありえない角度とタイミングでそんな質問をされました。思わず茶碗を落としそうになりました。
 オレ全然悪いことなんてしてないのに、どうしてだかすげー気まずくて、とりあえず、
「あー、うん。知ってるけど、エロい、よね? ゲーム、かな? エロゲだもんね」と言うことしかできず、かえって「ていうか、なんでそんなこと聞くの?」と尋ねると、
「ネットで知り合った友達がそういうのにすごい詳しくて、AIRってやつを勧められたんだけど、おもしろいのかなあ?」って、あ、ああ、あああ、それは危険な道。何もかもが(ヘタすると人生とか)変わるヘルズ・エッジ・ロードです。
 とりあえずその場は「いや、やめたほうがいいよ。普通にロクなもんじゃないから」と諭す努力を払うことになりました。


 なんというかこういう時、すげー対応に困るなあと思いました。まったくのマイノリティに平然と飛び込んでくる人というか、茨の道なのに全然そのことに無自覚で突き抜けてくる人というか。参った参った。
 で、帰ってから、じゃあ、とりあえずエロゲーの説明としては何がいいんだろうか? ということを考えてみて、まず思いついたのが、「倫理の欠如」がまったく許される世界。ゾーニングではっきりと分けられてる世界だから、表現にほぼ制限がなくて、これは本当にエロゲーというメディアの優秀なところだなあと思うんですが、かたわ者とかっていうのを気ままに書けるっていうのはすごく魅力的。江戸川乱歩の芋虫なんて現代日本じゃ出版できないですよ。多分。精神的葛藤じゃなくて、単純に生理的に吐き気を催すような嫌悪感をふつーに書けるっていうのはめちゃくちゃ大きくて、じゃあ、エロゲーって何やねん? て尋ねられると、「とりあえず表現の幅が広い。駄作も多い反面、たまに異常な輝きを放つ作品も存在する」と答えられるかなあとか感じます。
 具体的に言うと、もうなんでもいいや。眠いから、また今度。