交響詩篇エウレカセブン 第48話 を見る。

 これが見たかったッッ! 
 ギリギリを搾り出すような対等の空中アクション戦と、その果てにある少年少女たちの心のつながり。
 これです! これがエウレカセブンに期待していた部分の一つです。
 いやー、今回は本当に素晴らしかった。まずはアクションシーンですが、ニルバーシュとジエンドが無言でひたすらにドッグファイトをするところはドキドキしました。初めてロボットアニメを見たときのようなふわふわした無重力感を感じました。今までのエウレカの戦闘はほとんどどちらかが一方的に勝利してきていたので、今回のやりあいはよかったです。
 それから、アネモネとドミニクがついに一緒になるエピソードは見事すぎます。
 エウレカレントンが早い段階で倦怠期を超越して、悟りの境地に達しちゃったので、ずーっと悶々とさせられてたんですよね。三クール目からの二人の関係が予定調和すぎてつまらなかった。絶対にゆらがない関係になると、周りが何をやっても変わらないので見ていて面白くないんですよ。二人の幸せな関係が周囲を操作するという逆転的な現象はあまりにもご都合主義的すぎる。
 そのため、大きな感情の津波がやってくるには敵役の二人のエピソードしかないと。で、期待したとおりにやってくれました。しかも、そこに敵味方との和解をしっかり組み込んでいて、理想的なキャラ相関関係の畳み方です。感動しました。

 僕がエウレカセブンに期待していたのは、まずはエヴァンゲリオンをどう消化してしまうのか? そろそろアニメ業界もエヴァの呪縛から逃れつつあったわけで、最後の徒花として現れたこの作品にはエヴァ後半にあった「壊れていく世界」を回復する意味があった。
 誰もが愛憎渦巻く世界の中で欲望(作中の大人であるゲンドウや、ミサト。リツコにしても義務と欲求を摩り替えていた)のままに生きて、最もわがままな主人公とヒロインを残して世界が壊れてしまうエヴァ
 それに対して、誰しもが義務から逃げようとはしない(そのために人間関係がギスギスしたりする)エウレカセブンには色んなところで不満もあったのですが、その中でもっとも義務に操られ続けた少年少女が今回、その関係を回復することで不満は解消されました。あそこは感涙ものでした。
 こうなるとハッピーエンドしかありえないわけで、ここまで来ればありがちでも全然オッケーです。デューイが権力を握ってホランドとの因縁を見せびらかす辺りはあまりにもベッタベタな展開に萎えたんですが、少年少女の物語として、ジュブナイルとして、ロボットアニメの正当な形としての終わりに期待したいです。

 ていうか、今回の作画は凄かった。どのカットのエウレカアネモネも可愛らしすぎる。これまでのエウレカセブンで溜めてきた様々な経験値が発揮された気がします。最終巻だけDVD買おうかなあ。