SAMURAI7 第一話を見る。

「ああ、GONZOだね。これはいいGONZOだ」
「どこまでもゴンゾですよね。ロボットががっちゃんがっちゃん動いているところで、テロップ『黒澤明』。天然なのか悪意たっぷりなのか判断つかないところがあいかわらず恐ろしい」
バジリスクのときもそうだったけど、ゴンゾは恐らく『名作だ』と世間一般に持ち上げられている作品が嫌いなんだと思う。『こんなんB級じゃん!!』って言いたくて仕方が無いんだって。だからこのサムライ7にも微妙な空気が流れてる。いつものゴンゾとしかいいようがない空気、いわゆるゴンゾクオリティというやつが」
荒木飛呂彦も言ってますよね『クロサワってB級じゃん』*1
山田風太郎にしたってB級だしね。第一、忍法帖シリーズなんて全然、忍法してないじゃん! いかにバカなことをバカバカしく書いてみせるのか、完璧に分かっていてやってるんだと思うよ。原作の要素を自分達がやりたいようにスポイルして、自由にやってる」
「これファンの人は怒りませんかね?」
「こんなのに対して怒っても仕方が無い。だってスタッフはゲラゲラ笑いながら、打ち合わせしてたと思うもの。『やっぱり鉄砲はメガ粒子砲だよな』とか『農民は汚物、消毒しなきゃ』とか『でも、萌えは大事だよね』『美少女は無敵です!』」
「ひどい(笑)。まあ、スピードグラファーなんかもそうでしたもんね」
「あれもひどいアニメだった。あれだけ真っ当な暗黒テーマを扱って脚本のクオリティも高いのに、『ダイヤモンド夫人』だの『猟奇ドリル』だの。センスが異常。わざわざ梯子を外しにいく根性がすごい。とにかくゴンゾ恐るべし。もうこれは、次回作を魔界転生のアニメ化してくれることを望む」
「当然、石川賢版の準拠で?」
宮本武蔵は超ド級のサイボーグ。強さを求めすぎて初期の大豪院邪鬼ぐらいの大きさになっちゃった」
「じゃあ、十兵衛の片目はオーバーテクノロジーで出来ている」
「通称『鷹の目』だね。相手の動きを確定予測する。『これぞ転ばしなり!』とか言って『天の理、地の利、我とともにあり!』とかそれはそれはもう嬉しそうに敵を斬るの」
天草四郎時貞の扱いに困りますよね」
「彼はもう森宗意軒と融合したマッドサイエンティストってことだね。宇宙の意思に理解をしめした存在。次々と魔物を召喚していく」
「で、最後は十兵衛が閉じられた片目を開くんですよね。『見える! 見えるぞ!』っていって光を放って、魔物どもを駆逐していく」
「最後は宇宙を越えて戦うわけですね。光の蛇と闇の鷹の闘いは神々の軍勢を呼び覚ます」
デビルマンエンドしかありえなくなっちゃったね」
「いや、実は全ては落馬して絶命する寸前の十兵衛が今際に見た夢だったのだ!」
「十兵衛モノローグ『楽しかったなァ……』」
「ナレーション(中田譲治)『見てください。この満ち足りた笑顔を。あなたはこんな顔で死ねますか?』」