その時、激震が走った。

 今日も今日とてぼーっと読書をしていると、知り合いから携帯メールが入りました。
 そこにはURLが貼り付けられており、「とにかく見れ!」とコメントが副えられていました。

ヤシガニを超えた!?~MUSASHI-GUN道-~GilCrowsの映像技術研究所

 その瞬間、僕の全身を身震いが襲いました。おぞましき悪の匂いです。その名はヤシガニ
 当時、「スレイヤーズ!」を読んでライトノベルに目覚めた僕の神坂一熱を一瞬で吹き飛ばした予感。
 とりあえずOPとEDを見ただけで吐きそうになりました。これはひどい。圧倒的じゃないか。
 あまりのまがまがしさが気になったので、スタッフについてざっと調べてみました。
 
 OPとEDからそれぞれスタッフを抜き出してチェックしてもいいんですが、めんどくさいのでやりません。2chのスレを見るとよいです。http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anime/1144498096/19-26


 とりあえず監督である木下ゆうきは、「六三四の剣」と「サイコアーマー ゴーバリアン」の演出や作画監督をやっていたみたいです。具体的な略歴がよく分からなかったなあ。結構、年配の人っぽいんだけど。
 で、製作会社が「エーシーシープロダクション製作スタジオ」。あ、『ギルステイン』作ったところかあ!*1 
 でも、ちょっと自信がなかったのでとりあえずググってみました。
 すると、やっぱり『ギルステイン』のところだった。で、ちょっとおもしろくなってきたので色々検索していると、過去に著作権問題について、裁判を起こされたことがあるみたい。(※参照URL:http://rightnow.zeikei.jp/Articles/back_Case_Analysis.htm
 以下、引用

 ザイナー*2である原告(以下「X」といいます)が、アニメーション製作会社である被告(以下「Y社」といいます)に対して、X作成の図画を使用したY社製作にかかるアニメーション作品の頒布等の差止め及び損害賠償の支払を求め、これに対してY社は、本件図画は著作権法15条1項規定の職務著作に該当するから、その著作権はY社に帰属するとして争った事件です。最高裁判所が初めて職務著作の要件である「法人等の業務に従事する者」の意義について判断した判例

 ……全然話が見えてこない。えーっと、要するに、原画マンだかキャラデザの人だかが、このスタジオに「おれっちの絵をつかったアニメで金儲けするんじゃねえよ」と、差し止め請求と損害賠償を求めたって感じなのか? んん? アニメーターがプロダクションに対して? なんで? ちなみに、著作権法15条1項は以下のような内容。

法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

 むむむ? まあ、言ってみれば当たり前の規定だよなあ。一体、何が問題となったんだろう?
 で、ちょっと興味を持ったので、色んな単語を使ってざっと検索してみると、恐らく事の発端になった判例全文と思われるものを見つける。
http://www.translan.com/jucc/precedent-1999-07-12.html

 あいかわらず裁判所独特のシチめんどくせえ用語が並んでおり、斜め読みしかしてないのだが、だいたいの状況がのみこめてくる。
 とにかくとっかかりを見つけたのでさらに検索の精度をあげることが可能に。
 すると、すぐに最高裁判例が現れた。やったぜ。
http://patent.site.ne.jp/jd/lib/sp/030411.htm

 うーわー・・・これはもう本当にベタベタな判例だ。当事者には失礼だけど、めちゃくちゃ笑ってしまった。ナアナアな口約束だとか業界のお約束でやっていて、いざ問題が発生してこじれまくったケースってことか。

 なんか無性に著作権法を勉強しなおしたくなってきた。ベンキョーしようっと。



 ところで、検索の過程で見つけた余談。
 『エーシープロダクション製作スタジオ』という株式会社があって、そこは破産申告を2003年5月2日の時点で出していたみたい。同じ会社か?(ソース元:http://www.seikei.jp/fuwa200305.htm
 ちなみにスタジオの代表者は件のアニメのプロデューサー。
 もしかしたら前述の事件となにか関係あったのかなー*3とゴシップな発想が生じたけど、それは僕の好奇心にはひっかからなかったので、まあ、興味がある人は調べてみるとよいのかも。

*1:劇場アニメ。クリーチャーデザインは抜群だったがそれだけだったという作品。02年当時のアニメファン曰く『アニメバブルも弾けたのにこんなアニメ作って、景気のいいことだ』ということから出来は推して知るべし。

*2:恐らくここは「デ」が抜けている。デザイナー、つまりアニメータのことだと思われる。ザイナーってなんかの業界用語か敵キャラかと思っちゃったよ

*3:にしては負債額の桁数が段違いなので直接的な理由ではないとするほうが素直かな?