インプットが多すぎて

何から書けばよいのか分からない。

 「国民クイズ」は傑作でした。偶然、古本屋で全巻セットで売っていたのを衝動買いしましたが、買ってよかった。本の神さまありがとう。
 バタ臭い絵とブラックでシュールなネタと「個と公」のせめぎあいに、ぐっちゃぐちゃのユッケのような味わいがあって、よかった。
 ディストピア物語の条件として、恐らく「幸か不幸」の判断基準にギャップが存在することで、出てくるキャラの持つ葛藤が現実的な(あるいは普遍的、人間的な)かたちとして浮き彫りにされることじゃないかなーと思っているんですが、まさにそんな感じでした。いやー、愚かしくて実にいいですね。パラノイア万歳。
 子どもにはお勧めしない、大人のための教科書です。


 それから、「夏への扉」を再読。この作品にある「終わらない夏休み」的な独特の深みは、例えば、押井守の「ビューティフルドリーマー」だとか、CROSS†CHANNEL秋山瑞人の諸作品に通じるものがあって、変わってしまうものと変わら(れ)ないもの、例えば、子ども時代への郷愁とまだ見ぬ未来への希望が混交していて、それを書き出すバランス感覚が絶妙なので、読んでいてとても心地よい。
 ガキなんだけど、まあまあオトナな主人公の飄々としたスタイルにも素直に好感が持てます。 最近はどうも感情移入しにくい主人公が多いからなあ。