ハウルの動く城を見る。

 「難解だ」「つまんねーよ」と批評家なんかが言っていたし、いまいち「宮崎駿の作品にしてはな〜」とかいい評価も聞かなかったし、公開されたからこっち映画を見る機会が減ったのでなんとなく敬遠してたんですが、このたびDVDで視聴することに。
 結果。

  • 批評家の言うことはアテにならんな、と再確認。
  • ただし内容は、めちゃくちゃ難解だった。でも、おもしろかった。安心して観ていられる。

 以下、感想を羅列。

  • 最初の一分で心をわしづかみにされる。
    • アルプス山を歩く魔法使いの城と、真っ黒の煤を吐き出す産業革命時代。
    • パーフェクト。
    • スタジオジブリの素晴らしいところはなにより一瞬で物語に引き込むセンスだなあ。
  • 作画は相変わらず恐ろしくなる。今回はちょっとコミカルで脂っこい絵だと思った。次回作がもののけ姫風味なので、これはこれで……
  • ソフィは可愛いし色っぽいキャラデザなんだけど、さすがに「こねずみちゃん」はないと思った。
    • だって、演じてる人がねぇ? ねぇ? 少女離れしたあの声でねぇ? 「こねずみちゃん」はさすがに……ねぇ?
    • まあ、いいんだけどよ。声になれる頃にはぴったりの役柄になっちゃうしな。
  • ハウルは意外とよかった。
  • しかし、「美男子」をキムタクが演じるのには妙な違和感が。
    • なんでだろう。キムタクはカッコイイのに。
    • 「ようやく守らなければ」という肝心要のシーンで舌が回ってないのにはカックンと膝が落ちた。まあ、ハウルは間が抜けてるヒーローなので、ある意味オッケーかしら。
  • 魔法のエフェクトシーンはかっこよかった。それから、何が飛び出してくるのか分からないディテールには素直に感動。こういうのはジブリの得意分野だもんなあ。
  • 同ポジのギャグは細田守時代の名残かな?
    • 鏡の前にたつソフィの慌てかたとか、マルクルの登場シーンとか。
  • 後は、なんだろう。正直、語ろうと思えばいくらでも喋れる気がするんだけど、特にないんだよなあ。


ああ、そうだ。気になったところをメモっておこう。

 今回、空を飛ぶのではなくて歩くようになったこと。
 飛行機を使わないでも飛べるというシーンがいい。ファンタジーならでは。

 戦争シーンを入れた理由。これは本当に分からなかった。今回が難解に感じるのは、結局何がやりたいのか、とか、何を伝えたいのか? とかが明確じゃなかったせいだろうなあ。
 テーマは、「ラブストーリー」が一つの軸になっていても、それがテーマそのものではなかったし。
 じゃあ、「謎解き」がメインかっていうとそんなこともなく、「家族を作る」「戦争」っていうのも部分に入ってきてたし。
 とにかくテーマになるべき軸が増えすぎていて処理しきれてなかったのかなあ。そういえば、イノセンスの時、プロデューサーである鈴木敏夫押井守との対談の中で「三つ軸があればストーリーができる」って彼は言っていたけど、恐らく今回はその軸をどこまで増やしていけるのか? ってことを確かめてたんじゃないかなあと思った。そう考えると、戦争シーンを入れたのは思想とかどーでもよくって、「単に戦争オブジェクトを書きたかっただけ」とかか。しかし、それだったらハウルVS空中戦艦とか見たかったのに。