仁義なきアキバの戦い。― カフェ死闘編 ―

 先日、知り合いが東京に行く用事があって、ついでに秋葉原を訪れたそうです。
 色んな喫茶店があったそうです。
 帰ってきてそんな話をする知り合いと、新機軸のカフェを考えようということになりました。


知り合い(以下、A)「メイドロボットカフェ。メイド服姿のアシモが接待してくれる。ネコミミ装着済み。メガネ装着。黒ニーソックス装着。従順かつ確実なサービスをあなたにお届けします」
オレ(以下、B)「それだけフェティッシュに飾ってもまったく萌えの気配がないのがすごいな」
A「じゃあ、着ぐるみカフェはどうか? 色んなマスコットキャラが接客。ちょっと楽しい。子どもにもバカウケ。エロ同人の持込を禁止することで、ファミリーも安心の配慮。調子にのって、ミッキーマウスを投入すると、即・破滅という綱渡り感も美味しい!」
B「あー……じゃあ、英国人カフェ。店員は超ごうまん。超ふてぶてしい。まるでサービスの態度ではない。何かにつけて、黄色人種はこれだから困るんだよ、と親分気質で鼻で笑う」
A「それは、お前のうらみつらみだろ……」
B「まあ、それは冗談として、本命は、西部劇カフェだな。ちょっとこいつには自信がありますぜ(ギャラリーフェイクのフジタのような顔で)」
A「ほほぅ、聞かせてもらおうか……」
B「まずは店内にいかにもなセットを作るわけですよ。まあ、サルーンってやつのイメージですか。で、そこに客が登場する。キィっと軋む木の扉を開くと、店にいる客がジロリ、と一斉に客を見る。静まり返る店内。孕む緊張感……まあ、その客のほとんどは店員なんだけどな」
A「店員なのか……サービスしろよ」
B「まあ、聞けって。で、ささくれだった木組みの店に踏み入れると、すでにそこには吉野家のような殺伐とした空気が流れている。油断なく気を配りながら歩き、奥のカウンターに腰掛ける。グラスを磨いているマスターが『何にするんだい?』と尋ねる。メニューなんてものはなくて、客はただ『アボット氏の居場所が知りたい』と小さく呟く。ギョッとなるマスター。一瞬の目配せの後、まるで符牒のように、ざざっと立ち上がる客ども」
A「ああ……それはサービスなんだな。つまり」
B「『兄ちゃん、アボットさんに何の用だい?』『あんたァ、初めて見る顔だな。ここでその名ァ、出すってのがどういうことかァ、分かってんのか?』恫喝めいた不穏な言葉が店内に響く。しかし、恐れずに客がマスターに言う。『この人たちに』ちらっと肩越しに振り返り、『ビールでもおごってくれ』すると、ようやくビール(1500円)が出てくるわけです」
A「まどろっこしい注文方法だ」
B「いや、絶対ウケますって。月に一回、開かれる『早撃ちバトルロワイヤル』をはじめ、『ウェスタン・クイズ』などイベントも盛りだくさん。これは売れる!」


 どうでしょうか?
 実現の暁にはアイデア料などと……