「日本以外全部沈没」について。

 
 久々にどうしようもない映画を見たくなったので、観に行きます。
 http://movie.maeda-y.com/movie/00790.htmは、ネットでは恐らく一番有名な映画レビューサイトによるもの
 ですが、10点というのは驚いた。
 

 ていうか、このレビュアーはちょっと妙な角度で怒ってる節が見られたので、そこが気になりました。
 一部引用します。

(略)
 作り手には、オリジナルを深く研究する時間も予算もなければ、この物語の舞台となる国際政治についての知識もない。だから知的なユーモアなど望むべくもないし、社会風刺だってできるはずもない。
(中略)
 金正日中韓ネタもあるが、笑いとしては底が浅く、ただ面白そうだから出したというだけ。素人丸出しで痛々しい。

 「日本以外全部沈没」は別に国際政治に対する風刺をメインに置いているわけじゃなくて、筒井康隆流の「星新一・殺し」をやってただけだと思うんだけど。*1
 つまり、当時の時事ネタをやりたかっただけというか。国際政治に対する深い洞察なんて特に見られない。ていうか、筒井先生ってそんなのに興味ありましたっけ? 


 それから、「金正日中韓ネタも、面白そうだから出したというだけ」というのは、今さら言う言葉じゃないでしょ。
 だってねぇ……

(略)
 〜〜一緒に乱交パーティに行ってきたんだ。オードリイ・ヘプバーンやクラウディア・カルディナーレや、ソフィア・ローレンが来ていた。ペペもいたぞ。おれはカトリーヌ・ドヌーヴロミー・シュナイダーと、それからええと、あとは誰を抱いたっけ」

「農協 月に行く」(角川書店・1973年)収録「日本以外全部沈没」より


 原作って、全編に渡ってこんなのですよ? 20枚弱の分量で、殴れるだけ(観念的に)色んなところを殴ってる*2だけだと思うんですが。

 
 ローマ法王が場末のバーでくだ巻いてるような原作の映画化なんだから、怒ったら負けだと思うのです。別にそれでも怒りたいなら、止めはしないけど。
 さあ、かかってきやがれ! 「いかレスラー」!

*1:もしかしたら、映画のほうは国際政治に対してトンガってるかもしれないので、うかつには批判できない部分ではありますが

*2:勿論、「ウエハハハハ!」とか哄笑をあげながら