先週から今週のバキ
「バキ」におけるオリバ地獄と化した展開について。
- なかなかのイタガキ力(あたかもスルー力の如きターム)であるといわざるをえない。
- イタガキ力とは、弱者が強者へと転換される際に用いられるエネルギーの総称である。
- このエネルギーは突然に現れる。それはあたかも「スティールボールラン」10巻における真空中での素粒子の発生に基づいた電波理論にも似た唐突さである。
- イタガキ力が発生すると、先週までボコにされていたキャラがいきなり強化される。
- 余談では在るが、やや長期的なキャラパワーの転換の様相を示すときは、「バキサガ現象」と云う。これは、単行本一巻をわざわざ費やして、純粋に性的な意味で「童貞を捨てた*1」バキがシコルスキと柳の二人がかりを凌いだことに由来する。
- なお、さらなるイタガキ力の応用例には「ハナヤマ理論」があるが、これは「疵面」がひと段落ついた頃にでも語ろう。
- 余談では在るが、やや長期的なキャラパワーの転換の様相を示すときは、「バキサガ現象」と云う。これは、単行本一巻をわざわざ費やして、純粋に性的な意味で「童貞を捨てた*1」バキがシコルスキと柳の二人がかりを凌いだことに由来する。
- 「バキサガ現象」は「裏返ったッッッ!」などを含めて、多分に生物的なニュアンスを秘めているが、ここで取り扱う「イタガキ力」は力学的である。
- 作者・板垣恵介は俗に言う「鳥山脳」患者である。典型的マンガ家脳*2の症例としても知られる「鳥山脳」は、先週の展開を忘れ、翌週の展開を思いついていない危険な症状である。
- この「鳥山脳」の変種「ハクハツキ・モデル」により生じるイタガキ力は、うっすら覚えている先週の展開を常にひっくり返しつづけるようになる。
- なお、これをアメリカ人が患うと、「24脳」と呼ばれる。
- この「鳥山脳」の変種「ハクハツキ・モデル」により生じるイタガキ力は、うっすら覚えている先週の展開を常にひっくり返しつづけるようになる。
それしても「バキ」は、つくづくハッタリに基づく展開の切り返しが命だなーと思いました。
バキのバトルスタイルは常にこんな感じ。
A「今から殴ります」
グシャ! ドゴォッ!
B「殴られました。次は私の番です」
ドグシャッ。ドゴォッンッッ!
A「メタクソに殴られました。私の負けです」
ゆえに花山薫が輝くのもムリはない。
殴って殴って殴って、どれだけ弱らせてもイタガキ力によってパワーアップして復活してくるんですから。
厄介ですよねえ、ホント。別枠*3にいって正解だったと思います。
ところで、今週の引きでのゲバル再生には二つの可能性があります。
1.イタガキ力による純粋に肉体的なゲバルの強化とオリバの弱体化。
2.マリア胸キュンによるオリバの精神崩壊。
1は従来のイタガキ展開です。切り返して、ゲバルが輝く。ただし、ゲバルが強くなる説得力のあるエピソードがそろそろ一杯一杯なので、厳しいんじゃないかな。
思うに、花山×スペック戦があれほど輝いたのは、スペックに顎を掴まれた瞬間、花山の脳裏にかすめた記憶、すなわちユージローに同じ箇所を掴まれたという過去のシーンがコマとして流れたからなのです。あれこそが有無を言わさぬ説得力であり、だからこそ、あの後の決定的勝利が凄まじいカタルシスを生んだのではないか、と。
2は新しいイタガキ・スタイルの予感ですね。複数回にまたがって、ちゃんと伏線を処理するというか。マリアのメンタリティがほとんど書き込まれていないのが可能性でして、マリアがなぜだかゲバルに走って、オリバが絶望→筋肉に対する愛を失い、「AKIRA」の鉄男になる。おお、なんだかちゃんとした伏線処理だ。
問題なのは、これをやってしまうと、バキ世界の崩壊すら誘発しかねない、ということでして、まあ、ビルの解体ほど世に美しいものはなし、とも申しますので、イタガキ先生にはその辺り、よしなに、ということで一つ。