昨日のついでに、バキ・シリーズについて思っていることを書く。


 単行本は「バキ」の20巻ぐらいで買うのをやめたと記憶しています。「グラップラー刃牙」は全巻、所有。
 最大の理由は、展開上の覆しパターンがほぼ読めるようになったから。
 「バキ」中でのベストバウトはスペック×花山戦だと信仰しているのですけど、神心会×死刑囚がらみの、あのまったく収拾つかなくなった、変な風呂敷の広がり方は目も当てられなかった。
 あのあたりはカオスにもほどがあって、秩序化のプロセスが起承転転転転転……と、落とし所すら奈落になっていて、しかも、そのくせ「あ、ここでこいつは負ける」「また降参か」「武器を使う使わないについて、空手家と死刑囚のやりとりほど不毛なやりとりはないなー」とか渾沌としていながらその実、同じような展開が続いていて予測がついたのが不満だったことをよく覚えています。
 *1

 それから、範馬父子が従来の「バキ」文法=切り返しパターンからハミだしてしまったのも痛い。
 まあ、オーガはいいんですよ。wikiでジョーカーキャラのカテゴリに入ってるぐらいだから、一方的な勝利もよしとしましょう。
 でも、刃牙の勝利が、瞬殺しかありえなくなったのがナア。主人公の逆境に立つ機会がバッドステータスやハンデでしか表現できなくなったのがキツイ。
 それ即ち、超人化の表れで、そろそろスタンドバトルでもイッとく?  じゃないと、いつまでたっても主人公の戦いがつまんないままだ。


 とか考えてたのが、バキ31巻まで。
 最近になって、つまり「範馬刃牙」になってから、ちょっと買う意欲が復活してきました。
 理由としては、「バキ、苦戦してね? 工夫してね? 相手、善戦してね? カマキリだけど」
 それからオリバ。僕のフェイバリットキャラであるレクター博士*2から明らかに影響を受けて生まれたこのキャラがくたばる瞬間を楽しみにしているから。
 まさにライオンの中の蜜。こいつがくたばった後に何が生まれるのか、それを期待することが、僕に残されたバキの楽しみ方なのです。
 

*1:例外は、克己とドイルとのやりとり。あそこは際立って静寂なのが、好きでした

*2:ただし「ハンニバル」のフィレンツェ編まで。トラウマとシャレた宇宙論と劣情の塊でしかなくなったストーカーなど僕の愛した怪物ではない