第八回萌理賞(http://q.hatena.ne.jp/1171125033)関連作品「 学園年代記 A.M21〜23 「天下一部の誕生とその衰退」概要 」

 天下一部は「究極の護身」を理念として掲げる武闘派として知られた。学内きっての危険人物である忌野梨が午後の放送ジャック騒動によって、「今日は3−Cの柔道部の山野をトってやったぜ! 明日は空手部の飯田をヤッてやる」と堂々の宣告を成し遂げたことから始まった部活である。今でこそ影の生徒会の監査的政治レイヤーに基づく生徒会の「良識ある」単一責任巡回司法制によって、日々の安寧が約束されている学内であるが、黎明期では、少なくないならず者が結党すると、腕力に任せた独特の政治体制をつくりあげて、数々の暴挙――食堂の一角を必要以上に占領したり、体育館の利用割り当て面積を自分たちの都合のいいように変更したり、果ては「一箱につき一袋のポッキー税」なる搾取――を行っていた。
 こうしたアリストテレス的寡頭制の背景には、学園自治の生徒による完全運用という新保守主義的学園経営理念があって、そのため教師の消極的介入があるのみで学園自治は一向に改善される気配も見せぬまま、一般生徒は怯えながらの日常を甘んじるしかなかったのである。*1

(続く)

 暇なので、ちまちま改訂したり、付け足しながら書きます。つまり、連載スタイル。飽きるまで続けます。
 文章くどかったり、テンポ悪いところは、そのうちなんとかします。
 あ、あと、A.Mは「After Moe」の略。
 後ろの数字は年数なのかもしれませんし、ローゼンメイデン的単位=秒数なのかもしれません。しょせん、人間の主観時間は信頼できないものです。であるならば、客観時間が信頼できるはずもありません。時間軸は人の数だけあるって、量子論も言ってます。多分。

*1:当然のことであるが、ポッキー税の法の網をくぐりぬけるべく「きのこの山」を持ち込んだり、プリッツとアポロチョコを同時に食する「模造ポッキー」が流行するなど、小市民的反抗行為はいたるところで見受けられた