昨今、話題の「らき☆すた」一話を見た。


 なんか半径3クリックの領域が、らきすたはつまんねーおもしれー云々かんぬんうるせーので、黙れ、ボケども。
 オレが見てない場所でオレが知らないおもしろそうな話をするな、オレも混ぜろと思ったので、とりあえず一話だけ見ました。以下、ダラダラと羅列。



 ぼくの愛する物語の基本は「努力・友情・勝利」の三本柱ではなく、「妄念・情念・信念」であることはいうまでもないですが、それで鑑みるにらきすたは眠い。
 見てて眠くなるアニメって久しぶりですよ。アッパーなノリを期待してがっくりしました。

 
 この辺がこの作品の批判箇所だと思うのですが、要するにあるあるネタやら日常の小ネタを垂れ流しっぱ。
 ところで、「物語が好きなんだ!」とかのたまう連中の言葉を見ていて僕、いっつも苦々しく思うのは、お前らが好きなのは「物語」そのものじゃなくて、「物語のダイナミズム/飛躍/強いうねり」だろうと。
 で、そういう連中が、「らきすたには物語がない!」とかしてやったりな顔をするわけですよ。はいはい、わかったわかった。もういいから、きちんとコンドームつけて周りにお前のきたねー汁がかからないようにしてから公衆の面前でオナニーしなさいね? ボーヤって世界ですよ。


 僕からいわせれば、らきすたには物語はある。それはすげーちっぽけな物語。一話序盤で登場キャラが日常の洋菓子の食い方を次々と語る、そういうレベルの物語。
 なるほど、バラエティ的ツクリだ。だいたい、筋書きの用意されたバラエティは物語でないのか? んなわけねーだろ。
 ところが、この作品は合いの手が不足している。
 バラエティではよくタレントが己の日常を語る。すると、「おー」とか「へー」とか「あはは」とかパチパチパチとか、なんらかのリアクションがTVをはさんでリアルタイムで起こる。しばしば槍玉にあがるこの過剰なツクリのにおいは、実写のめまぐるしさで脱臭されている。
 
 ペラペラと豆知識を語るアニメキャラたちはアニメだからこそ、決められた動きしかできない。なおかつ、決められた台詞がキャラの語る日常をベースに進む物語上、早口で展開する。しかし、情報としてとりこぼしのない程度には抑揚が効いている。声優の、まったくのプロ根性に満ちた所業によるくだらない日常の演技。その倒錯。そのバカバカしさ。当然、この感性を喜ぶ人間もいれば、蔑む人間も現れる。

 
 対話の不在。あるあるトークにおける相槌の不在についてもうすこし補足。
 全体的にみて、視聴者がクスリ、と笑う間ぐらいしか与えない会話の流れ。ものすごくせわしなさを感じることについて。
 こういうと特定の誰かに対する人格批判のように聞こえるかもしれないが、アレはまさに「自分の話しかしないコミュニケーションスキルに欠いたオタクのしゃべり」のようだと感じた。


 他人のくだらない日常会話を聞くほどヒマじゃない、ゆとりのない人が怒るのは無理もないと思う。
 しかし、ダイナミックな物語だけが「物語」というわけでもない。まあ、だとしても相当に眠たい話だと思ったのだけど。