リア充してます。

 仕事がなんかクソ忙しくて、しかも来月から京都に異動させられる、ってきょきょきょきょ京都かよ! 国際都市KYOTO。オレのイメージではなんか毎日、夕方頃になってうっかり四辻に立っているといつのまにか全然知らない霧深い街のなかにぽつねんと経っていて、気付いたら異様にドス黒く錆びた鉄パイプと「ジージージー」ってノイズしか鳴らないラジオを手にしていて、ぼーっとしてたら、「ジーーーーーッッ!」てノイズがものすごく大きくなってきて、そこでふっと「ああ、そうだ。……殺さなきゃ」と思い出して、背後から霧を掻き分けて化物がやってくるのを待ち構えて、顔面らしいミミズ腫れした腫瘍に鉄パイプを叩き込んで「ギョエエエエ!」とかマンドラゴラもかくあるべしっていう悲鳴をあげて倒れた怪物をそのまま、滅多滅多にフルボッコにして、「ああ、すっきり」して気付いたら、それはオレの上司で、「ウヒヒヒ、ややややっちまったーーー!」と絶叫してしまうような場所じゃないですか。完全に魔都ですよ。魔都。怨霊魑魅の渦巻くシティ、K.Y.O.T.O。夜も眠れない。
 そんなところに異動っすか?
 マジで? アッハハハ、あのー、今住んでるとこからだと通勤往復3時間ぐらいかかるんですけどー? って会社に言ったら、いや、社則的にはアリだから、キミ大阪なんでしょ? ま、どーしてもっていうなら、引っ越せば? ウチら費用なんてもたねーけど。
 と恐ろしく存外かつフラットな提案をされて、エエエエエスケープフロムオオサカーー! ふざけんなふざけんな、てめーらいつか必ず殺す、殺すどころかバタイユとサドの全集に書かれた内容を足して9000万倍にかけて0で割ったぐらいひどいメ(ん?)にあわしてやるからな、とか思いつつ、粛々と引き継ぎ作業に入っていたのに、星の巡りがいいんだか悪いんだかよくわかんねーんだけどこのタイミングで大きなお仕事が舞い込んできたから、この二週間ばかり残業オンザロックショーン・コネリーが出た映画ぐらいの監獄的な)で、ついに限界突破してしまって、木曜日に風邪でダウンして、女の子にヘルプ、ヘルプミィィィー!! とここ数年ないぐらいに切実な救命要請をお願いしてついでに京都に行くことになったからーって申し上げましたら、、なんでかオレ風邪引いてて死にかけてんのに女の子にワンワン泣かれて、ふおおおおお! 死ぬ、マジで死ぬ。方々からの圧力でオレは死ぬ。
 っていうのが「リアルで充実してる」略してリア充っていうなら、呼べよ! ああ? なんだそのあさましいものを見るような目つきは? ふふふざけけけんな! おおおれれおおれがどどどどれほど苦労してると。

 まー、そういうわけで本よめてねーです。
 漫画で「嘘喰い」と「GENTE」と「BLOOD ALONE」を買ってだらだら読んだぐらい。あと、「ジャイアント」。
 いいっすよよ。ジャイアント。山田芳裕が「へうげもの」以上にシグルってる感じ。メインキャラもどれもがマッドですが、三島とジャイの対比の仕方がすごい。ジャイが打席←→生活でスイッチする快楽型狂人なのに対して、エッジがギンギンにとがった三島の常材戦場っぷり。「へうげもの」以前に書かれたものということで、描かれる業の深さに「へうげもの」の萌芽を見ることができます。