ブクマに収まりきらなかった話。
ファック文芸部杯絡みの件。
11月中の増田に投稿された全エントリーが対象となってブクマ数を競うルールが、*1エントリーがネタメタに見える(斜めに構えてしまう、シニカルな姿勢をとってしまう)ようになるのでやめろと、批判。
まあ、正直言って、「じゃあ、なんでそう宣言されるだけでお前の見るものすべてがメタに没入するのか?」という不思議はあるのですが、わからなくはない心理。
たとえば、匿名での悲痛な告白が、実はネタだよーん、と言われたら共感してフォローしてあげたいと、真摯な態度をとった自分がバカみたいになりますものね。マージナルな事象には、安心できないのは当り前の話。
でも、現実として、増田のエントリーには嘘が今まで混じってなかった、善意のエントリーしかなかったというのはありえないと思う。
いままで書き手に「おもしろけりゃなんでもやってやるよ」という出たての芸人のような発想がなかったというと断じてノーだろうし、まさか批判している人だって、コウノトリを信じるウブな処女にも似たナイーブさを有しているわけでもないだろう。
じゃあ、結局のところ、どうすりゃいいのかというと、結局、匿名エントリーってのは2chにしてもそうだけど、「受け手のアティチュード」が問われるわけで、
メタとして回避するもよし、ネタとして消費するもよし。
でも、もっとも尊いのは、目の前のエントリーが真実だと、心底思って、困ってる人の言葉に耳を傾けて共感して、なんとかしてやりたいって考えることだと思うのだ。
そのど真ん中な態度がいくらバカに見えようと、僕はそれをできるひとに全力で敬意を表する。
パトレイバーやエヴァンゲリオンの登場人物が戦争に飽きているというのはトバしすぎじゃねー? お前、ただただガンダムって言いたいだけちゃうんかと。その割に、まんまモロな題材を扱ってるメタルギアソリッド4を出してこないあたりがまったくなってない。オタクくすぐりの手管についてわかってない記事だと思った。
まー、登場人物の「誰」の立場に立つかにもよるのだろうけど、*2少なくてもパトレイバーの主人公サイド(や一般市民)にとってレイバーっていう汎用ロボットがさまざまな犯罪シーンの道具として用いられるようには飽いているだろうけど、戦争は相変わらず異質なものだったと思う。
戦争をテーマにしたパトレイバーだと劇場版の2だけど、あれにおいてもやっぱり戦争っていう空気は異質なものだったし、主犯のテロ屋が望んでたのは、そもそも平和な町が戦争状態に(再)突入することで、「異界」=彼岸の風景が現世に降りてくることだった。
そのなかで、自衛隊員を見上げたり、彼らに手を振ったりいっしょに写真をとったりする一般市民にとって「戦争」は一個の巨大な刺激物だった。まあ、刺激にはたいてい慣れるものだろうけど、劇中でそれを示唆する風景は僕の記憶にある限り、なかった。
だいたい警察の上層部ですら「戦争はまだ始まっていない(今はまだ、犯罪という日常の範疇だ)」という甘い現実認識だったわけで。
エヴァンゲリオンだって、毎回、世界の破滅の土壇場で踊ることになる怪獣との戦争に飽きているとも思えなかったし、ネルフの連中はほとんどが「人を殺すことに慣れてない」と言われてたのにね。