異界それから文学フリマ、その他のこと。

 このメトロシティに移り住んですでに3ヶ月以上経ったので、そろそろTokyocityを探索せねばならないだろうと、文学フリマに行ってみることにします。
 おそらくうっかり出会いがあるんじゃないでしょうかね。
 日曜日の休日で朝11時なので超ぐったり、超テンションローなのだろうけど、そこではっと目も覚めるような美少女に出逢うわけなんですよ。まあ、id:xx-internetさんなんですけどね。すれ違いざまに「キルゾーンに踏み込んでいるわよ」って鋭く一言、「まあ、確かにここ最近のオレはKILLZONE2のオンラインにドップリだぜ」と思ったがこんなのとんでもない勘違いであることを瞬時に悟ったのは、周りのブースを見回すと、予想以上のギラギラ揃いだったからで、
 きっとあそこで、仏法を説きながらファンクな同人誌を売ってるバナナのたたき売りのコスプレした人はid:nandさんだなとか。
 あっちで、後ろですっげえでかい物体を納めたシリンダ−が控えているブースで売り子やってるのは、id:objectOさんだな。SF映画に出てきそうなデザインの筒の中の液体がコポコポ言ってるのがマジおっかねえ。何入ってんだ。メトロイドか。後、売り子がいねえ。ああ、そうだよな。多分、あの中だな。と相変わらずコポコポ言ってる筒を眺めて、もうワケわかんないので怖すぎて近くに寄れないんだけど、シリンダーに張られている「えすえふ」の一言が気になりすぎるだとか、
 ともあれやべえ、ここはいつの間にかちょう異界。油断してるとやられるぜ。気づかせてくれた美少女に感謝しようと振り返るが、もういない。
 なるほど。あれがイン殺だったか。
 とかぼんやり考え事していたら、今度はめちゃくちゃでかい、化け物みたいな外観のすげーおっかないフランケンシュタインかさもなく仮面ライダーXに出てくるキングダーク並に「ごごごご・・・」といきりたった存在感が現れて、「はあっ!? もしやKO・RO・SA・RE・RU!?」と震えながら、見上げていると、一輪の花をのせた手のひらを突き出してきたから、お前それラピュタのロボットやんけ!?って突っ込んだら、なんか急にがたがた震えはじめて、おもむろにそのおっかねえ着ぐるみを脱ぎ捨てると、出てきたのは顔を真っ赤にした美少女で、「なんだ、id:xx-internetさんじゃん」。
「べ、べつにスーパーマンが殴られてる漫画が読みたいわけじゃないんだからねっ」
って、ラピュタのロボットの根っこが、フライシャー兄弟の「スーパーマン」に出てくるメカニカル・モンスターていう、スーパーマンを火炎放射したり殴ったりできるぐらいには強いけど、真っ向勝負では果てしなく微妙な強さのロボットで「さらば愛しきルパン」のラムダを経由しているから、宮崎駿ってすごい! さながらF・U・C・K! っていう、何重にも迂遠な言い訳を語り始めて、「いいからとにかく『ダークナイト・リターンズ』と『ストライク・アゲイン』を貸しなさいよ。老境に至ってついに完全にイカレたバットマンが、いけすかないスーパーマンをボコにするっていうナイスな話が私は読みたいの」と。
 なるほど、こういうこともあろうかと持っていた鞄から取り出したら、『アーカムアサイラム』だったので、たっはー、こいつはとんだ間違いだ、と額を手のひらで押しつけていたら、目の前のお嬢がとたんに不機嫌=ふくれっ面になったので、慌てていやいやいや、これはこれでよい品ですよ? 一回しか読んだこと無いけど、後、邦訳版はプレミアついて持ってないから、原著だけど。
 すると、その顔から表情が消えて彼女、おもむろに着ぐるみの中から日本刀をとりだすと、そのまま、ずいと担いで――


 その一閃で、これが悪夢であると覚めた。

 うーん。おっかねえぜ。文学フリマ。きっと魑魅魍魎の渦巻くイベントなんだろう。 
 行くのやめようかな。でも、行こうかな。