コードギアスの話・1

「ようやくコードギアスをすべて見たわけなのだけど」
「またこれは……遅い話で。頭こねくりまわして不幸を語る時代はとっくに終わっているのに。今はすでにマクロスフロンティア、新エヴァ辺りの絵的に豊かな、快楽原則がベーシックだよ」
「ま、いいじゃないか。その辺りは後で話そう。コードギアスをどう捉える?」
「まずかわいげがないよね。あらゆる面でクレバーすぎて。
 マクロスフロンティアがスタッフ全員の愛情によって祝福された作品なら、これはスタッフ渾身の悪意によって誕生した鬼子です。宇野常寛がこれをもって、お得意のサブカル=現実の追認論を展開したがる理由も分かるぐらいに。
 舞台は現代。思考様式もそれに準じる。が、世界的にはおおむね絶対王政・拡張路線の帝国主義が敷かれており、そこでポンと嘘くささが出てきている。ここのファンタジーを塗りつぶすために、[競争社会を奨励しつつ、その実プレイヤーが持っているリソースの差が著しい][毛唐に蹂躙される日本人]ていう状況を放り込んで「おいおいちょっとちょっと」と突っ込ませる。フィクションの補強のためにメタレベルまで視野に入れていて隙がなく、実に黒い」
「まあ、トレードオフの世界だよね。だから契約がキーワードにならざるえない」
「契約が嫌いな中二病なんていません!」

 以下、別エントリにゆずる。