執事の子、ポニョ

 ぽーにょぽにょぽにょと「崖の上のポニョ」を見たわけですよ。
 で、頭に電波ソングが中毒気味にぐわんぐわん響いていて、「さかなのこ」が「ひつじのこ」になったりして行き着いた先が、執事の子。なんで執事かと問われたので、なんでだろうと考えて、以下にでっちあげてみた。趣味に命を賭けずに如何するの精神で!


 二〇世紀初頭、ドイツ。裕福な商家の子であるオットー(仮名)には幼き頃からの友人がいた。使用人頭の娘であるポニョ。骨っぽくて男勝りな性格をしており、見目も麗しいわけでもないが、まっすぐな瞳をした少女である。それまでの両親のおおらかな教育方針もあって、腕白に育ったオットーだが、12歳の時、父親にこれまでのように家庭教師に師事するのではなく大学入科に向けて、寄宿学校に入るように厳命される。
 ところが散々、ごねてごねた上に家を飛び出したりするオットーにどうしたものかと頭を抱える彼の両親。そこで父親を伴って現れたポニョが一念発起。私がついていきますと申し出る。驚く面々に、私を見て、男の子と見間違う人もいるんです。オットーと小さな頃から一緒に野原を駆け回ってましたし、街の男の子ともよく遊んでいて、彼らの遊びもよく知っていますから。
 しばらく懊悩とするのだが、やがて決意したように、父親が、では頼まれてくれるかと望む。はい、仰せの通りに。では、若様を迎えに行きます。どこにいくのかよく分かってますから。として、家を出て行く。
 それから、数ヶ月後、連れ戻った二人が向かったのは南ドイツのフライブルグ郊外の学校だった。
 寄宿学校は三〇〇人程度の生徒からなり、保養地に近いこともあって大らかな人格が育ってきているのだが、黒い森の冬の陰鬱さがどこかに影を落としてさえいる。
 そこで起こる数々の出来事。大金持ちの息子とオットーとの決闘騒ぎ! 女子であることを偽るポニョに起こる事件とは!?
 そして、巻き起こらんとする戦火の気配。フランスとの国境近くゆえに漂う戦争の予感に震えるオットーとポニョの運命や如何に!?(べんべん


実は第一次世界大戦以降のオットーとポニョのそれぞれの運命のオチまで考えていて、それはまた別の話。