月刊アフタヌーン9月号を読む。

今月のアフタヌーンを読んだので、いつもの通り感想を大雑把に羅列。

  • おおきく振りかぶって
    • 相変わらず絶好調。「ヤサシイワタシ」の時の作者はどこへ行ったのだろうか。
    • でも、ちょっと疑問だったのは、サードランナーを見て瞑想するシーン。
    • 「オシ! 力抜けた気ィする!」ってわざわざセリフにしなくてもよかったんじゃないかな。言葉にしてリラックス云々ってのは四巻で否定してたし。肩の力が抜ける描写だけでよかったんじゃないかしらん。
    • 後、気になったのは「4つ」って劇中ではセカンドのことなんだな。俺の母校だと野手がカットする数だったから、四回もカットすんのか? いくら一年だからってどんだけ肩弱いんだよと、ちょっと戸惑った。
  • ああっ女神様っ
    • 水着はいいから、メカ書いてくれよメカ。バイクが見たいんだよー!
  • げんしけん
    • ほんとあざといよな。
    • いや、この漫画は作者がオタクを小ばかにしたオタクで常にオタクを翻弄することを念頭に置いて作られている漫画で、それが売れるってことは、やり方が上手いってことなんだろうけど。
    • いつまで経っても、今ひとつ好きにはなれない。
  • ヒストリエ
    • この漫画はほんと恐ろしい。いつ、誰が、どんなときでも死んでしまうという意味において。
    • こういった人間の「嫌なところ」をまざまざと見せ付けるセンスはやはりアフタヌーンだよなぁ。
  • undercurrent
    • これも恐ろしい漫画である。静かな日常にパンドラ・ボックスが潜んでいるかもしれないという不気味さがあって。
    • 毎回、いつ奥さんが手首を切るのかハラハラしながら見ていました。なんとか着地しそうなので、今はホッとしてます。
  • すすめすずなり
    • この漫画はすごい好き。めぞん一刻をひっくりかえした感じで。
    • めぞん一刻は住人が管理人に恋をするが、管理人さんの心は明後日(死んだ夫という届かない場所)を向いていたんだけど、この漫画は管理人を超人として配置してしまい、事実上、作劇における蚊帳の外におん出してしまうことで、そこに住む住民達にスポットをあてている。
    • 中でも、管理人の娘が住人の一人に恋しているんだけど、当の住人が明後日の方向(しかもその方向はあくまで会社の同僚という届く場所)に向いちゃっている(でも、娘さんの気持ちには気付いてはいる)っていうのは、めぞん一刻よりもさらにリアリティがあって、好ましい。
  • もっけ
    • この人は女の子とかあんまり書きたくないんだろうなあ。
    • だって、明らかにジサマとかモノノケの方がすげーいい顔してるんだもん。
    • いや、俺はそっちの方が好きなんだけどね。実際。
  • アモン・ゲーム(四季賞大賞作品)
    • これはすごい。圧倒的だ。
    • なんていうんだろうか。びっちりと書き込まれた背景やら小道具からひしひしと「作者の世界観」が匂って来る。
    • これは例えば、大友克洋士郎正宗のような背景が語る説得力に似ていると思う。
    • ただし、この漫画にあるのは、大友や士郎の時代に求められた奥深いリアリズムの説得力ではなくて、あくまで「作者の世界観」。それを感じさせるのは、今のフラットな世の中にはあまりにも合致していると感じた。
    • いや、でも、これはちょっとすごい。新しいセンスという評はまさにその通り。



どうでもいいですけど、P、394の読者欄に投稿している女の子が勇ましすぎてあやうくホレてしまいそうになりました。
七人の侍』で泣かない殿方とはお付き合いできませんて……あんた、一体何者なんだ?
後、これを通したアフタの編集もすごいと思った。