アフタヌーン 11月号とヤングキングアワーズ 11月号を読む。

 気になったのだけ感想羅列。

  • アフタ
  • 新連載について
    • ほのぼのしていて、個人的にはいいと思うんですが、殺伐 OR 日常がモットーの現在のアフタですごい勢いで浮いています。ニッチなラインに生息しているというか、空気読めてない感が全開というか。いや、わりとこういうのも好きなんですけど、どうしてだか頭がくらくらすんですよね。
  • G組
    • ゴッチ教室とガングリオンだけで、満足しました。とりあえず長州はネタとして反則的なので、大好きです。
  • プーねこ
    • この作品は、誰しもがツッコミたい時事ネタを絶妙のライン(ギャグ漫画の矜持ともいうべき冷めていて相対的な視線)で茶化すので、ネタの扱い方がいやらしくなく、スマートにくすりと出来るので好きです。
  • ハトよめ
    • あいかわらずゲシュタルト崩壊した展開、一コマ先から何が飛び出すか分からないという猟奇的な漫画なので大好きです。脳髄にビシバシ届くナンセンスが素晴らしい。
  • 無限の住人
    • この人はホントに一ページの使い方が上手いです。最近は絵が半端ないほど荒れていて、線に動きがなかったんですが、ここ一番で読者の視覚を刺激するハッタリ力はやはり素晴らしい。


 今月はギャグが全般としてよかったと思います。ストーリーモノは全て事態が進行中なので、地味な印象があったせいでしょうね。

  • 惑星のさみだれ
    • ぐんぐん良くなっている。諸事情あって、僕はこの作者は個人的に応援しているのですが、絵のハッタリ力がまだ足りていない分、ストーリィのハッタリ力が素晴らしいので、もしかしたらこの作品で大化けするのかもしれません。
  • 鵺子鳥
    • 人形というモノはその性質上、「キャラの生き様」を仮託する存在だと思うので、アニメーションだとか漫画だとかのテーマとしてこれほどふさわしい題材もないなあと思います。
    • イノセンスは、人形に関するフェティッシュな愛情の吐露になっていて、あれはあれで好きなんですが、この作品では人形を挟むことで渦巻く人間の情念を吐露させるというスタイルをとっていて(すなわち、ブラックジャックだとかギャラリーフェイクだとかに見られるある特定素材をもってヒューマニズムを表す手法)、それが漫画で書かれるというのはなかなか趣き深いことだと思いました。
  • 朝霧の巫女
    • これはすごい。まさかここまで伝奇モノをするとは思っていなかった。荒々しい一風変わったタッチとあいまって、今はほんとに化物じみておもしろいです。
  • 大石まさるの読みきり
    • なんとなく「猫の地球儀」か「敵は海賊」を思い出す。あるいは「夏への扉」か。
    • 星間飛行のクルーとして軌道計算するネコというのは、そのコンセプトからしてたまりません。ましてや、そのネコ達がみんなで幼女を育ててレディにするというのは、あまりにも変態的なシチュエーションすぎて、なんだかそれだけで短編小説が書けそうな勢いです。広がりがないぶん、奥行きのある話になるだろうなぁと思ってしまったので。
  • それでも町は廻っている
    • 多分、今、一番好きなギャグ漫画
    • ばあちゃんの変遷がおもしろすぎます。一つコマが変わるとボケとツッコミもまたぐるぐる変化するのが見ていてとても楽しいです。
  • HELLSING
    • いよいよヤバイですね。掲載順位が後ろに下がって、しかもページ数が激減というのは。いくらOVA化で書き入れ時だからって、やっぱり外伝とか再開するべきじゃなかったんですよ。単行本作業だってあるのに……
    • とりあえず、アンデルセンアーカードが相打ちになるシーンはあまりに、あまりにコント的ななにかで、笑ってしまいました。かっこいいけど、バカ。ボキャ天風に言えば、バカシブです。


 アワーズはあいかわらず好調。しかし、雑誌としての先細りが恐ろしいというか、ウルトラジャンプアフタヌーンと違って、あんまり新規開拓に積極的じゃないので(まあ、枠が埋まってて、新規枠が全然足らないせいなんでしょうけど)、ヘルシングのOVA化は浮沈のかかった勝負どころなんでしょうね