小学館抗争編 ガガガ文庫を突貫せよ!

 

  • 前書き

 我、通信網ニ潜ム闇ヨリ入電ヲ受ケル
 其ノ内容ハ以下ノ如シ

「ケン、それは机ですか?(お前、これ知ってる? の意)」

 我、返信ス

「いいえ。それはトムです(名前だけはちらほら。の意)」


 数度ノ電信文ヲ交ワス。

「トムはガガガ文庫に興味があります。なぜならば、トムは、それはライトノベル賞の中で一番、「ムチャしやがって……敬礼!」な賞だと思うからです。現に、すでにこの賞をDISる気全開の猛者が数人、参入を決意しているようです。あなたは書きますか?」

「はい。ケンはその賞に参加します。なぜならば、その賞は『一生、印税生活』という人間のいやらしい本質が爆発しており、露骨なほどの商業主義が垣間見えるため、ケンは彼らにたくさんのストレスを与えてみたい。文学を一緒に殺してやろうと思うからです」

「具体的にはどうしますか?」

  • というわけで、参戦してみたく存じます。

 友人との数度のメールの末、大筋が決まりました。

 主人公は中学生。超ヒッキー。どのぐらいヒッキーかというと、現実がイヤでイヤで仕方が無いので、ついには異次元に逃げこむぐらい。
 ところが逃げ込んだ異次元は、ドキッ、女だらけのハーレムでも主人公が選ばれた世界ということもなく、ひたすらに邪教が支配する世界。
 生贄として召喚されたことも知らずに、困惑する主人公。とりあえず街を探す主人公。でも、開始二秒で殺される主人公。
 ところがなぜか死なない主人公。明らかにドラクエ的にはステータスが赤なのに、生きている主人公。幽霊化する主人公。仕方が無いので、実装されたチャット機能で同じような境遇の旅の人たちにアドバイスする主人公。コミュニケーションする主人公。
 なんだかんだで苦難の道を乗り越えて、地下宮殿に眠る邪神復活を阻止する主人公。暗黒祭司を背後からガンダムハンマーで脳天カチ割った達成感に酔いしれる主人公。
 だが、実は全てはゲームの物語だったんだよ!


 知り合いからの寸評。


「お前、ホンット最悪だな。今時ゲームオチって」
「いや、だから、それは江川達也の主張に対する逆説みたいな感じでね。ゲームでもちゃんとコミュニケーションとれるんですよ? みたいな」
「なんでイスラム風俗の資料を取り寄せるの?」
「神は細部に宿るからな。徹底的に世界観は作りこむ。WIZベースで。ゲームシステム的にはオンライン版WIZだ。バンバン人は死にまくる。いいヤツも悪いヤツも、美少女もブスも分け隔てなく殺す。キャラ萌え? 何それ? 美味いの? DISってDISってDISりまくってやる。所詮、目的は賞をとることじゃない。いかにして相手にストレスを与えるか? という命題に対する挑戦だ。特に、ここまでやっておいて、オチがそれかよ!? と突っ込まれることに無上の喜びを覚えたい。敗北を知りたい」
「お前、本当に死んだほうがいいよ。そもそも全然文学する気ねえじゃん」
「ああん? うっせーな。ボケが。文学? なんだそりゃ? 犬の餌の名前か?」
「え、ちょっ、おま、それ最悪」 
「うるせーうるせー。オレはクソみたいな文章とクソみたいな展開でクソみたいなオチを書きたいんだよ」
「素直にあかほりさとる文体やっときゃいいのに」
「それもいいなぁ・・・」


 

ps 方針が変わったので、主人公はのりうつり型の幽霊になります。手近に憑依しまくり。条件あり。対象が死んでしまってはダメ。で、魔王にも憑依して、ガンダムハンマーで最後は死ぬ。