各々のヒーロー像について。


 男の子なら、誰しも心の中にヒーローを一人や二人飼っているのは常識ですが、じゃあ、その「ヒーロー」ってのはなんだという話。


 オレ的ヒーローについての敷衍的想起運動。

  1. ヒーローであるから、悪は許さん!
  2. 場合によっては、敵味方の生死は問題にならん!
  3. ヒロインとの間でヒーロー業について悩むことがしばしばだ!
  4. 友人は少なめだ。なぜならば、ヒーローは常に孤独を抱いて寝るべきだからだ!
  5. 日常とか非日常とかグダグダ悩んでる暇はない! ヒーローはどっちに関しても多忙の身だ!
  6. とりあえず勢いだ! 勢いがあればなんでもできる!
  7. でも、あまりにも力業すぎると色んなところから反発を受けるから、それなりに工夫は必要だ!
  8. 具体的に言うと、父親が悪いことをしている! だから、ブッ倒す! 母親が誰かに殺された! だから、探し出してブッ倒死! 兄がDG細胞にのっとられた! 助けなくてはいけない! 妹が敵に拉致された! 助けなくてはいけない! こんな感じのリクツが欲しいところだ!
  9. しかし、これではあまりにも島本的すぎるので、もうちょっと陰惨にしてみたい!
  10. つまり、富士鷹ルートだ!
  11. ヒロインは微笑んでくれる綾波系だ! だが、あまりにも感情に乏しいキャラは「長門?」とか言われるので、今はパスしたい気持ちだ! ツンデレルートも「しろがね?」と言われるのでパスだ。
  12. 恐怖描写は必要だ! 闇の底からズルリ、と這いよってきて、ヒーローの心身を侵食する存在がいるといい!
  13. しかし、これでは荒木世界も入ってくるが、勢いがあればよしとしよう!
  14. ところで、ヒーローは敵を殺していいのか!?
  15. 然るべき理由もなく、人を殺すのを「悪」と断定し、その「悪」を断罪するのが「正義」としておこう。
  16. じゃあ、ものすごくグッとくる動機で人を殺しまくる存在は悪じゃないのか?
  17. それはそれで別の話だ! むしろ、「だから、なんだ? おれはお前のママじゃねえんだ! ガタガタ言わずにお縄につけぃ!」と一喝してしまえばいい! つまり、バットマン的規範の問題だ。「オレ以外、他にやってくれるヤツいねえじゃん。なんだよ、このダセェスーツ暑いし重いし、家帰って早く脱ぎてェよ」といった悲哀を匂わせればそれはそれでよしだ!
  18. それは詭弁ではないのか?
  19. 逆に問おう。現代において、一切の詭弁もなく、人を殺せるか?
  20. 正当な論弁を求めるには、価値の問題が生じる。人命を一義として置く世界においては詭弁なく人を殺傷せしむるのは困難である。
  21. では、ヒーローそれ自体が価値倒錯者ではないのか? どうして自らの命を危険にさらせるのか?
  22. 人の命と自分の命の問題ではなく、窮極的にそれは「価値」の問題である。絶対的指標としての「生命の保存」が社会の形成を貫く動機であるならば、相対的な価値基準による場合でも「悪」は生じる。「悪」は無条件に生命を殺す存在である。
  23. うーん、うさんくせぇ。鼻につく。この辺りで詰まるんだよなあ。結局、ヒーロー=人命を扱う業種にして、「人命尊いっすわ、マジで」ていうのが正義サイド、「人命? 目的のためならいらんなあ」っていうのが悪っていうのが厳しいのかな。だって、そうなると正義、超大変。法律守ってねえのに、根本的な法律守らないといけないし。倫理すっぱ抜いて語るバカと倫理の上でしか踊れないバカが会話してもなぁ。
    • あ、そうか。前提が食い違ってて平行線の会話をさせようとするからイラつくのか。この辺りに欺瞞が渦巻いてるから奈須ヒーローが肌に合わない臭い。明日辺りに、奈須きのこ的ヒーローの整理をしてみよう。