最近、三田紀房が好きになってきた理由について。


 云うまでもなく、ビックコミックスペリオールで連載中の「マネーの拳」*1の話なんですけど。おもしろいですよね? 絵面がどんどん狂ってきて。
 「南の楽園だったのに、ブリザート」とか、コンビニで立ち読みしながら、人目はばからず笑い声をあげてしまうところでした。「テニスの王子様」に匹敵するコメディだと思ってます。

 高校野球をやってた頃、「クロカン」と「甲子園に行こう!」を読んでいて、「体育会系のある種、異様な世界観をすごくキチンと書いてるなー」と共感したのと同時に、「うわ、説教うぜ。なんで漫画ででもこんな説教されなきゃならんのだ。リアルで十分だっつーの」と反感ももった。
 で、未だにマンガの説教部分は嫌いです。「知るか、ボケ。ポエムならどっかの壁に書いてろ」とか「お利口さんになりたくて、フィクション楽しんでるんじゃねーよ」という感じ。
 なにか啓蒙されたくて、たかが虚構に金払う予定はないんですよね。作者の思想を楽しむために金を払うのはやぶさかじゃないですけど。
 それは例えば、江川達也でいうと「日露戦争」は読める。「DEADMAN」はゲラゲラ笑いながら読んだ。「東京大学物語」も、まあ、楽しめた。でも、「BE FREE!」「GOLDEN BOY」はクソ。
 こんな基準。
 だから、三田紀房でいうと「ドラゴン桜」はムリ。主人公=作者が典型的なオルグつーか、教祖で、そいつの座ってるイスを蹴っ飛ばすヤツがいなくて、つまんない。
「我をあがめよー。さすれば救われんー」みたいな。あの英語教師も「ああ、ステキ。おもわず股開いちゃう」ってなもんですよ。
 だから、「あー、『黒い羊は迷わない』のデプログラマー出てこないかなー」とか目に入ってくるたび、思うんですよね。
「いつか『あるある』みたく、どっかで捏造が問題視されて*2、打ち切られねーかなー」とか


 でも、「マネーの虎」は面白い。
 この漫画は本当にくだらなくて、久々に「確実に頭のネジが飛び出している」と言いきれる作品。
 だって、社長の主張を受け入れる派閥=南の楽園でフラダンスを躍ってるイメージを、「そのまんま書く」なんてどうかんがえても、マトモなセンスじゃない。今時、ギャグ漫画でもそんな描写しねーよ、というか。
 でも、このセンスは愛すべき。このちょいイタなオヤジセンスはかなり稀少。これこそ「作者の思想には金を払っていい」という原則論。でも、単行本は買ってない。漫画喫茶で読むだけ。だって、普通に読む分にはつまんないから。

*1:アップした後、チェックしたら素で「マネーの虎」と間違ってた……

*2:理想としては、「ドラゴン桜」の勉強法を忠実にやったのに、受験失敗した。だから、この漫画のやりかたはウソだ! とかいうエキセントリックな寝言を飛ばすヤツが現れて、訴訟までいけば最高