色々と読んだ。

 吉富先生は果たしてどこに行かれるのだろう。トランスジェンダーと恐るべき足フェチの世界に裸足で駆けて行く「BLUE DROP」の神々しさは僕には眩しすぎます。
 ノリにノッてるはずの「疵面」と「シグルイ」と「ドスペラード」。しかし、吉富昭仁と戸田康成,feat今川泰宏のデンジャラスな魅力には及ばない辺りが、チャンピオンREDのカオティックな素晴らしさであると信仰するのです。

 アニメ化とな! マッドハウスとな! 十二話とな!
 そんな話を聞くと、、「覚悟のススメ」のOVAのアメリカでの評判を思い出すのは僕だけはないはず。
 ともあれ、八巻の中身ですが、読みながら、「山口先生は一体、何回ぐらいネームで伊良子を殺してしまったのだろうか?」と考えることしきりでした。原作クラッシュのハードな綱渡りっぷりに別の意味でハラハラですよ。
 それから正直に申し上げて、わたくし、藤木や伊良子よりも三重の怪物っぷりが恐ろしいのです。随所で書かれるなにかヤバげな薫りが、さすが、さすがは虎眼の娘だと。
 

  • まとちゃん

 偶然、立ち寄った本屋で見つけたので買いました。「あずまんが大王」以降の典型的なユルい四コママンガのはずなのに、あれ? なんだかおかしいですよ? 可愛らしい女の子が一杯でてくるのに、なんだこの寒々しさ・・・
 コマから立ち上ってくるものすごい虚無。幼児=イノセントが裏返って生じる不健全と邪悪というか、「え? そんな簡単にセカイって壊れるの?」というあっけなさ。
 時々、「それをやってしまうと物語が崩壊して、必ずメタか楽屋オチに行き着く」ことが明白な、割ととりかえしのつかない展開を臆面もなくやってしまう恐怖感。こえー。マジおっかねえよ。このマンガ。
 いいもの読んだんだと思います。多分。

  • ロックンロール七部作

 古川日出男ワールド縦断旅行。これでアラビアが出てきたらカンペキだな、とか思いました。カタリ=語り/騙りは相変わらず上手いんだけど、「ベルカ、吠えないのか?」よりも自覚的に話が飛ぶ飛ぶ。筋道立てない。振り回されまくり。
 まさかロシアのロックンロールグループの話からキノコ狩りと殉教の話に飛躍して、再び着陸するなんて思いもしませんでした。しかし、いいウソです。いいウソはなくならないものさ。多分、最高に良いものだから。

  • 私家版魚類図譜

 関連作である「私家版鳥類図譜」に比べ、ずいぶんドラマチックなものが多かった。足元が崩れていくような感じじゃなくて、どこかへ飛び上がっていくような読後感。鳥なのに沈んでいき、魚なのに飛び上がっていくコントラストが面白い。あとがきで作者自身が語るように、二冊そろえて見えてくる面白さがあった。
 そういや、諸星大二郎の作品で見開きを使ってるのって初めて見た。

  • エマ八巻とアンダーザローズ四巻

 エロいなあ。ビクトリア朝時代。しかし、エマの色彩感とアンダーザローズのモノトーンは非常に面白い比較だと思う。この二人って対談とかしないのかしら。して欲しいなあ。ぴあ辺りで

 

  • E・Gコンバット

 「死者の代弁者」を読んだので再読。まあ、もう、最終巻はいらねーや。だいたい自分でオチついたし。
 秋山瑞人はなにをしてるのだろう? と思ったら、来月の末頃に古橋秀之と対談があるとか*1。そういえば、武侠モノかなにかの合作もどうなったんだろう。

  • 最近のバキ

 予想では、近々マリアがクララばりに立つはずなのである。しかし、それで何が起こるのかはわからないのである。
 

  • HIGHSCHOOL OF DEAD 一巻

 読んだ。以下、友人との会話。
「こんな夢をみたんだ。
 何人かとともに佐藤大輔とゾンビから逃げていて、追い詰められて窮地に立たされたとき、『僕が行こう』とおもむろに生き残り達に告げると、ゾンビの群れに悠然と向かって歩いていく。その姿はまるで飢えた虎にわが身を投げ出すブッダを思わせたのだけど、満足そうな表情で身を食われる佐藤大輔に向かって、僕は『てンめえええええ! 佐藤大輔ええええ!! どうでもいいから、諸々の投げっぱなしにしてる作品をせめて一つでも完結させてからくたばりやがえええええ!!』と罵声をなげかけていたんだ。
 イヤな夢だったよ。色んな意味で」 
「なんだか色んな作家にも使えそうな話だね」
「あの作家に印税を渡すとますますロクなことにならない気がするんだけど、とか?」
「それも色んな作家に―」
「―やめておこうか。これ以上は不毛だ」
「しかし、佐藤ショウジの線はエロイね」
「尻と胸の塗りも存分にエロイよ」
「女キャラがひどいメに遭いそうで遭わなかったのが残念だけど、多分、次の巻は、これは期待できそうだよ」
「卑しい限りだね」
「ところで、ツインテールツンデレ眼鏡っ子というのは平野耕太からのリクエストだったのだろうか?」 
「羨ましい限りだね」