「300」を読む。

  • 300

 唸るぜ、フランク・ミラー浪花節
 いちいちコマの立ち回りがカッコイイんだ、これが。
 キャラクターをコマにあてはめるのでなく、コマをキャラクターにあてはめることで伸び伸びとした作劇が成立してる。描き方が「バットマンダークナイトリターンズ」に戻ってる。「ダークナイト・リターンズ」が縦コマ(すなわち、政府←→バットマン、スーパーマン←→バットマンバットマン←→ロビン(orバットボーイズ)etcといった縦の関係)を意識した作劇だったのに対して、ジョーカー戦で見せたような横の対決構図をほぼ終始、保っているのが美しい。
 そして、最後は対手に飛び掛るべく、真正面を向く。牙を剥いて、迫ってくるその鬼気。素晴らしい躍動感。
 小品ではあるのだけど、存分に堪能しました。
 しかし、こうなるとアメリカでも伝奇ブームとかクるんじゃないかな? それはそれですげー楽しみです。