さっさと萌理賞(http://q.hatena.ne.jp/1154079537)について語っとくかー。
明日からちょっと忙しくなるので、講評も一応、出たことですし、いまのうちに個人的な所感などを書いておきます。
- 全体
400字ルールになったことでメタ萌えモノが増えるだろうな、と思ったら案の定だった。(:オレカテゴリでの「メタ萌え」とは「萌え」そのものを茶化したり、既存の手法を確信犯的にパロディ化を目論むこと)
これはもう、ルール上、どうしようもなかったんだと思います。
400字ルールは縛りとして非常に面白いんですが、このまま投稿作品のメタ萌え比重が高くなり続ければ、近々、内輪のひとだけが面白い企画になってしまうんじゃないかと勝手ながら危惧しています。
いや、別にメタ萌えを非難するつもりはありません。
というよりも、そういったものこそがこのての企画の醍醐味であり、もし参加者全員が保守的な萌えを描いて、右にならえをするのは、到底、健全な企画とはいえないでしょうから。
まあ、この辺は、講評がしっかりしてるので、大丈夫だと思っています。この企画の成功は、id:sirouto2さんの作品に対する冷静な視点あってのものでしょう。
それから、作品のレベルが高い。前回も思ったんですが、作者がみんな冷静で、上手いんだ……。blogにはこうも竜が棲みよるとは……。
- 作品感想
- 俺と妹と砂浜と
- まず仕事の速さに驚嘆しました。たった1時間半で投稿て……。
- 内容としては、萌えジャストミートです。奇を衒わない萌えというとヘンな表現ですが、こういう作品がないと「萌え」をテーマにした企画とは言いがたい。先陣を切るのがこれでなによりだったと思います。
- It's my sister
- 弱点(同じ作者の二作品のうち好きなほう)
- すいません。つい笑いました。前回の講評から、きっちり学習して作っているので。個人的には、エロス描写の限界への挑戦と400文字という縛りの克服が、今後のテーマになるので、参考になりました。
- アレルゲン
- 筒井康隆風の「うっせーバカっ! オレにはこれが萌えなんだよ! 文句あっか!?」という殺意に満ちた萌え。「メタ萌え」にはだいたい二種類あるとぼくは思っていて、「萌え」を逆算して作るクレバーな作品と、「萌え」に対して、カウンターかまそうと躍起になる作品で、これは後者。
- 田んぼの国からやってきた若苗の子
- 夏娘
- この企画最大の良心。ほんと貴重です。この企画は、締め切りの関係でイラストが圧倒的に不利な立場にあるので、イラストと文章の比重を上手く調整できればいいんでしょうね。モチーフを早めに発表するとか。
- 素人2.0
- 明らかにマトモな感想をもらうことを最初から放棄していた作品。
- id:xx-internetさんの作品はあいかわらずメソッドカウンターの極北ですね。今後、メタ萌えをやるならば、このファックボール(by「BOY」)を超えることが求められると覚悟しないといけません。
- 幼馴染は2度は牙を剥く
- 文体が今風で好感度高し。
- 邪推すれば間違いなく、最初にツンデレを目指したんだと思うんだけど、届かなかったんだろうな。惜しい。
- 眠い日、暑い日
- 自作。
- 一番の盛り上げどころで誤字ミスという致命的なマヌケっぷりに死にたくなりました。
- 「まるで生まれてきたことを後悔にするような〜」は「まるで生まれてきたことを後悔しているような〜」です。念のため。
- 講評で、わざわざ誤字のまま抜き出してその箇所を褒めるという主催者の非道っぷりにSHIT!
- 夏姉妹
- 百合。どうしようもないほど百合。すいません、レズ、生理的にダメなんで勘弁してください。すいません。
- レイニィボーイ・シャイニィガール
- この辺りからストーリィ的に練ってきてる作品が増える。時間とともに投稿作品の傾向が変わっていておもしろい。
- 漫画にしてみると、アフタヌーン辺りの読みきりでありそうな感じ。主人公サラリーマンで、ヒロインが女子高生とか。つまり、現代的なんですね。雰囲気が。
- ワンサイドゲーム
- 個人的にマイベスト。フリ、オチ、キャラ、どれをとっても素晴らしい。
- 今回の400字ルールの中で最大限のストーリー。いやー、すごいな。400字でここまで出来るのか。
- 夏の姉は妹と幼馴染
- 多分、一番語りがいのありそうな作品。指定されたモチーフを洩れなく使う、というところから突破してきた秀作。
- いますよね。「どれか一つでいいんだよ」といわれたら、「全部選ぶ!」と言い出すひねくれものが、どこにでも。清清しいわるふざけ、というのが相応しい。
- 既に忘れられた話
- 里帰りジャジ子さんという新ジャンルの提案
- 今回で一番、萌えた。リアリティある萌えです。
- この場合のリアリティというのは、写実的なという意味ではなくて、「年頃のそこそこ自侭な妹がいたら、多分、こうくるだろう」と思考実験してきて、でもそれも悪かーねーな、というアニキらしさが詰め込まれていることに由来する。上手い。
- 今回で一番、萌えた。リアリティある萌えです。
- 無題(花火)
- 恐らく萌えを書くのにもっとも適正ある手段は、会話文による展開だと思います。
- 打てば響くような会話を描ければ、それだけで萌えるわけです。人間はコミュニケーションに快楽を求める動物だと思うからです。最後の一文が、さらっと書かれているのが好き。くらっと余韻がくるのがいいですね。
- 夏陰
- かなり評価に困る作品。読者に対するアプローチとして、萌えを語るキャラというのは、既存ミステリを語る探偵みたいなものなので、それだけで魅力を探せといわれると結構、困るんですよね。400字では無謀なテーマだったのかも。
- 主人公がオオアリクイに(以下略)
- さした
- ものすごい変化球。まさか萌えでバトルをやるとは。一体、id:hanhansさんはなにを企んでいたのか、是非尋ねてみたいです。
- 夏
以上。あー、ちかれた。なんか一生分の「萌え」って単語を書いた気分です。
あ、そうそう。自作に関して、講評で「なんの擬人化なの?」と問われているので、答えておくと、「とくに決まっていませんでした」とだけ。なんとなく書き始めには、「狼と香辛料」のホロのイメージがあったんですけどね。昨日、二巻を読んでたので。