色々と読んだよ。

  • 暁星記
    • スピリチュアルなラストの方向性はどうかなーと思ったけど、終盤まで徹底的にハイテンションが持続されてよかった。
      • この作品がSFかどうかと考えると、序盤はたぶん、SF。諸星的な喜びに近い、クトゥルフ的な怪奇趣味のSFというか。超越種による実験場としてのテラ・フォーミング以後のストレンジ寄りな生態と、人類の初期社会を丹念に描いてた5巻まではよかった。
        • そういう意味では信仰対象としての「チキュウ」なんかも、ガジェットとして掘り下げたらもっとおもしろかったはずなのに。
    • ところが、超越種の社会が不透明なわりには俗すぎて、それでいて超越種の社会に対する具体的な批判が皆無だったのがなあ。最終盤でニンゲン以外からその批判が入るんだけど、それは所詮、ニンゲンとは隔たったストレンジャーの言葉なので、全然軽いんですよね。やっぱり、超越種側の主人公であり語り部とその従者が狂言まわし以上の作用を保っていなかったのが痛かったと感じり(そして、狂言まわし以上となる自覚的な語り部としてそれぞれが目覚めたところで、エンドしちゃうし)。
    • 色々と書き残していることが山ほどありそうなので、設定集とか外伝とか後日談とか希望。できれば、イブニングで連載してくれーー。
  • 時計じかけのオレンジ
  • 爆笑。
    • 全体的にアホすぎるというか、「スノッブ文学を殺せ!」みたいな感じ。
    • ある意味、今となっては文体のおもしろさだけで保ったストーリーともいえる。残酷であるし、どこか知らない異世界であって、なにごとか「契機」が含まれているから名作なのだろう。
    • 自由意志について描かれるところは好き。ほかはそんなに・・・。表現が先鋭化するのも困もんだよなあ・・・。